ビル・ゲイツも共感した「人材を伸ばす教育」に必要な4つのステップ
数学の成績が良い生徒は、大学を卒業してから、 STEM分野でなくても成功する可能性が高い。 数学の重要性についてこのように語っているビル・ゲイツは、ゲイツ財団でも数学教育の改善に取り組む公立高校と協力してきました。 数学能力は、私たちが気づかないような形で日常生活に関連しているだけでなく、そうした日々の生活がどれほどうまくいくかを示す、強力な指標でもあるのです。 しかし問題は、ほとんどの人は数学を好きでないということです。 これには解決策がある、とゲイツは言います。重要なのは、高校での(そしておそらく大学でも)数学の教え方を見直すことです。 そして、この「数学の教え方」を応用すれば、どのような環境でも、どのような種類の教育(社員教育など)であっても改善することができます。 その方法は次のとおりです。
1. 特性に合わせる
人によって興味や学習方法は異なります。 教育はそれを考慮に入れる必要があり、個々の学生の目標や能力に合わせて課題やフィードバックを与える必要があるのです。 だからこそ、自分で問題を選んで学習できるような機会を与えましょう。
2. 実社会で応用できる
高等数学で「自分で問題を選んで学習できるような機会を与えること」は、必ずしも簡単ではありません。 しかし、ゲイツがある学校を訪問した際に、そこで数学の授業の教壇に立っていたFernandez先生は、生徒たちに実際の社会に関連した問題を出しました。 「映画館で長方形かピラミッド型の容器に入ったポップコーンを買うとしたら、どちらがお得でしょうか」というものです。 ゲイツのブログに掲載された短い動画では、Fernandez先生は次のように説明しています。 今日の授業は、角錐の体積を調べる内容でした。『長さ×高さ×幅÷3』と教えるのは簡単ですが、生徒たちにとっては何の意味もありません。問題に背景を加えれば、もっと意味があるものになるのです。
3. 共同の場にする
Fernandez先生の数学の授業の珍しい(そして重要な)特徴の1つは、生徒たちが問題について話し合い、その解き方について考えを共有するということです。 先生はポップコーンの問題を出したあと、生徒が問題の解き方について話し合えるように、議論の場を設けたのです。 ゲイツは、Fernandez先生が生徒全員に発言を促したことに感銘を受けました。