若手作家が瀬戸でアート発信 国際芸術祭プレイベント
来年9月に開幕する国際芸術祭「あいち2025」の地域展開事業「底に触れる 現代美術 in 瀬戸」が、愛知県瀬戸市の名鉄尾張瀬戸駅周辺で開かれている。国際芸術祭のプレイベントに位置付けられ、若手作家10人が空き店舗や古民家、ギャラリーなど7か所の会場に力作を出展している。
古民家などで展示
古民家レンタルスペース梅村商店ではマンホールや石垣の模様を写し取った陶片をレコード盤やオルゴールのようにして神秘的な音を奏でる装置が置かれている。 美術工芸家・藤井達吉ゆかりの工房で、愛知県豊田市(旧小原村)から移築された「無風庵」では、達吉の掛け軸を飾り、ガラスの原料に見立てた山を配置した部屋を作品としている。市新世紀工芸館では、服飾作品を着た寝たきりの祖母がほほえむ映像作品などを公開している。 瀬戸市出身で埼玉県を拠点に活動している田口薫さん(29)は、瀬戸信用金庫アートギャラリーに、瀬戸川や焼き物の街などを題材にしたモノクロの版画とアクリル絵の具で色づけした版木をセットにした大型作品を出展した。田口さんは「古里の風景に挑戦することができ、今後の作品づくりの励みになった」と話している。 11月4日まで。作家との作品づくりや、学芸員による作品紹介が予定されている。観覧無料。