ゲーム会社なのに投資の運用益は驚異の172億円…!《投資の天才》1600億円を運用するコーエーテクモ襟川恵子会長が稼ぎまくった「意外な投資商品」
ゲーム業界は当たり外れが大きい
2024年3月期の統合報告書には以下の記載があります。 「ゲーム業界は予測が立てにくいビジネスであるため、当社では短期的な業績の変化にかかわらず将来に向けた開発や事業を積極的に行えるよう、手元資金を潤沢に確保しています。これらの資金はただ寝かせておくのではなく、リスクとリターンのバランスを取りながら効率的に運用しています」 確かにゲーム業界の場合、ヒット作が出るか出ないかで売上高は大きく変わります。実際、ゲーム業界の雄とも言える任天堂は、Wiiがヒットした際に売上高は1.8兆円を超えましたが、その後Wiiの後継期であるWii Uが不発に終わってしまった2017年3月期には、売上高は3分の1以下の5000億円を下回るまで下がりました。 その後わずか4年で、Switchのヒットとコロナ禍の巣篭もり需要により売上高は2021年3月期に1.75兆円まで回復しました。このようにゲーム業界ではジェットコースターのような業績になることがよくあります。 WiiやSwitchといった置き型のゲーム機を開発している任天堂ほどではないものの、多くのゲーム会社はヒット作の良し悪しにより業績が大きく変動します。そのため、手元資金を潤沢に確保することは理にかなっていると言えます。 このような背景もあり、コーエーテクモHDはその余剰資金を投資に回しているというわけなのです。 数字で確認をすると、コーエーテクモHDの総資産2458億円に対して、流動資産である有価証券584億円と固定資産である投資有価証券1066億円を合計すると1650億円近くの投資有価証券を保有していることになります(通常、流動資産の有価証券は1年以内に売却予定の短期保有であり、固定資産の投資有価証券は長期保有を目的とします)。 これら有価証券の合計金額はなんと総資産の67%を占めるほどです。つまり、コーエーテクモはゲームを開発しながらも1600億円を超える有価証券を運用しているゲーム会社なのです。