居場所を失った「いじめっ子」を救った祖母の告白。映画『ホワイトバード はじまりのワンダー』の制作の裏側
いじめがきっかけで学校を退学処分となった問題児のジュリアン。過ちを犯した彼の時間はあの時から止まったままだった。すっかり自分を見失っていた彼のことを心配したおばあちゃんは、今まで誰にも話せなかった衝撃の過去を語り始める。「勇気あるやさしさは、人々を変えることができる」ということを教えるために――。 【写真】『ホワイトバード はじまりのワンダー』の場面カット 55の言語に翻訳され、全世界で1500万部を超す大ベストセラーとなったR・J・パラシオによる世界的ベストセラー小説「ワンダー」を映画化した2018年のヒット作『ワンダー 君は太陽』。
そのアナザーストーリーとなる映画『ホワイトバード はじまりのワンダー』が12月6日より全国公開となる。 ■いじめた側の救済までを描く 原作はR・J・パラシオの「ホワイトバード」。いじめられた側だけでなく、いじめた側の救済までを描かないと「ワンダー」の真の世界観は完結しない。そんな作者R・J・パラシオの決意に胸を打たれた映画『ワンダー 君は太陽』のプロデューサー陣が、「ホワイトバード」を映画化するために再集結した。
オスカー女優ヘレン・ミレンをはじめ、「X-ファイル」シリーズのジリアン・アンダーソン、映画出演2作目にして主役に抜擢されたアリエラ・グレイザーらが出演している。 本題に入る前に、本作が生まれるきっかけとなった『ワンダー 君は太陽』について少しだけ触れておきたい。 出演はジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン、ジェイコブ・トレンブレイら。同作の主人公オギーは、遺伝子の疾患で、人とは異なる顔で生まれてきたというだけで、『スター・ウォーズ』が大好きで宇宙飛行士に憧れている普通の男の子だった。
そんな彼もそれまでは宇宙飛行士のヘルメットで顔を隠し、学校へ行かずに自宅学習を続けてきた。だが彼が10歳となったときに、両親は息子を外の世界である学校へ送り出すことを決意する。 学校にはオギーのことを好奇の目で見たり、いじめたりする者もいたが、それでも彼は家族の愛に勇気づけられながら困難に立ち向かう。やがて学校の同級生たちも、話がおもしろく、やさしいオギーの魅力に気付くようになる――という物語だ。