星付きレストランで修業を積んだシェフによる東麻布の新星! ストーリーが詰まった上質な料理を楽しめる
2人が思い描くレストランを完成させるため、店舗のデザインは建築家・山本亮介さん(ya Inc.)に依頼した。さらに店のロゴマーク、器やカトラリーなど細部にわたり、そのエッセンスは息づいている。
例えば、カトラリーを並べる順番もそのひとつ。ルールに縛られなくてもいいというメッセージを込めて、定番とは少し位置を変えている。「何気ないことですが、“おや”と気付く方もいます。普段は意識しないことに気付くというのも面白いことでしょう」と髙遠さんは笑う。
川井さん「フランス人シェフのオリヴィエ・ガルシアさんと、奥様で千葉県出身の元ファッションデザイナーの菜都子さんの共同運営。なので、お二人の名前を少しずつ取って「OLINA」という店名に。ステキでオシャレ。お二人の人柄が料理、サービスに表れています。」
見た目が美しい! ストーリー性と創意が詰まった、繊細な料理たち
コースは17,600円。3種のアミューズからスタートし、デザートまで11種類ほどが用意されている。ソムリエの常盤努さんが選んだワインとのペアリングコースもあり、スタンダードは9,600円、日本酒なども加えたプレステージは17,600円だ。 ※料理は取材時のメニュー。時期によって変わる可能性あり
アミューズの後に続くのは、シェフからのメッセージと添え書きされた一皿。髙遠さんが描いたという型抜きのチュイールがのっていて、それが心を和ませてくれる。蕪のポタージュの中からは、滑らかで謎めいたテクスチャーの卵の黄身が現れる。加熱では生まれないテクスチャーは、いったん冷凍して調理することで新しい食感を生み出しているのだ。 食材の無駄を出さないために端材をさまざまな料理に活用しているが、こちらもそのひとつ。余った蕪や大根の部位を使い切るための料理でもあるが、クリエイティブな遊び心を付け加えているのがオリヴィエシェフらしい。
川井さん「2日間冷凍させた卵をじっくり戻してコンフィに。火は入っていません。本来のコンフィは低温でじっくり火を通しますが、なかなか面白い工夫です。前菜で使いきれなかった蕪と大根をポタージュにし、さらに蕪をかたどったチュイール。実はこれも大根や蕪の茎や葉っぱなども使ってかたどったもの。このデザインはデザイナーである奥様がなさったものです。夫婦合作。サステナブルで食材の上手な使い方にちょっと別の店と違う長所を感じました。もちろんおいしいです。」