“混セ”優勝のカギを握る「中日・高橋宏斗」…いまだ防御率0点台、ライバル球団のエースをなぎ倒す「22歳」の覚醒
ライバル球団の「エースキラー」
高橋は勝率8割4分6厘(リーグ2位)を誇っているが、この数値は単に高いだけではない。ここまでの17登板のほぼ全てが、他球団のエースとの対決となっている。広島・九里亜蓮(32)、床田寛樹(29)、巨人・戸郷翔征(24)、山崎伊織(25)、阪神・村上頌樹(26)、DeNA・濱口遥大(29)、大貫晋一(30)。交流戦に転じてみると埼玉西武・今井達也(26)、ソフトバンク・有原航平(32)らに投げ勝って積み上げた数値でもある。 対戦チームからすれば、高橋を打ち崩せなかったショックはもちろんだが、エースを送り出して勝てなかったダメージも残る。本人はあまり気にしていないようだが、中身の濃い勝ち星が積み重ねられていることで、「クライマックスシリーズへの逆転進出の可能性は残っている」と前向きな声もチーム内から出始めたそうだ。 11勝目を挙げた27日の広島戦前、落合英二投手コーチ(55)が「簡単にバントをさせるな」と助言した。言葉通りの狙いもあるが、高橋は「対広島戦23イニング連続無失点」と完全にカモにしており、慢心させない目的もあった。 「同日、トータル26イニング目で広島打線はやっと1点を取りました。一方で、送りバントを5度試みて4度も失敗しています」(前出・名古屋在住記者) 対する広島も高橋の決め球であるスプリットを徹底して見送るなどしたが、敵わなかった。首位チームの連敗は7月27日以来である。そういえば、100球以内で完封勝利を収める「マダックス」も広島戦(7月5日)で達成された。巨人、阪神にも2戦負けナシだ。高橋のピッチングがセの優勝チームを決める可能性が高い。
デイリー新潮編集部
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