「4浪建築学科合格」でも、彼が語る“努力の虚しさ”。学校でのいじめや親との関係に悩んだ日々。
1浪目の安藤さんは、1日17時間勉強を目指し、ひたすら勉強を続けました。高校3年生のときに周囲からいいと言われていた参考書を5科目やり込んだものの、成績は上がりませんでした。 「1浪目は週1でまったく勉強しない休みの日を作りましたが、それ以外の日は毎日4時間睡眠で、1時間×3回の食事の時間以外はすべて勉強しようと努力しました。15時間前後は机に向かっていたと思います。最初の2~3カ月は少し成績が上がったのは覚えているのですが、それからだんだん下がっていきました」
勉強時間を割いているのに成績が伸びない謎に悩んだ安藤さんは、この年も国立の医大を受験して全落ち。大学に行かないという手段がない以上、「後がないのは一緒だ」と考えて2浪を決断し、1浪目と同じ生活を続けたものの、さらに成績は下降しました。2浪が終わるころには河合塾の全統模試の偏差値は29まで落ちてしまったのです。 そして、この年も現役・1浪のときのように国立の医大を受けましたが、不合格に終わりました。
「常に(精神的に)きついと思って勉強していました。成績は伸びませんでしたが、受験を辞めるという選択肢はなく、大学に受からなければ先はないと思っていたんです」 そう考えて3年目の宅浪に突入したものの、この年は前年度より勉強時間がガタッと落ちて10時間程度の勉強になり、気力が出なくなった1月以降は5時間程度まで下がってしまいました。 この年は全体的に記憶がおぼろげで、防衛医科大学校と群馬大学医学部を受験したのは覚えているそうですが、それ以外については思い出せないそうです。
「精神状態が限界で、心療内科・カウンセリングを継続して受けました。もう座っているのがきつくて、まともに頭が動かず、指も動かない状態が続きました。勉強はそれまでと同じようにしていたはずですし、医大も受けたはずですが、この年のことはほとんど覚えていません」 模試の成績が去年と変わらなかったことくらいしか覚えていない安藤さんは、結局この年の受験も振るわず、ついに父親に相談をします。 それは「いくら勉強しても成績が上がらないから、切り捨てたかったら切り捨てろ」という衝撃的な内容でした。