2月19日から「心身ともにソワソワ」する『雨水』。五臓の「肝」が活発になるこの時期に起こりやすい身体のトラブルとは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「雨水(2/19~3/4頃)」です。 【イラスト】雨水に食べたい旬のものはコチラ * * * * * * * ◆雨水(うすい) 2/19~3/4頃 寒さが少しずつやわらぎ、雪や氷が溶け、大地が潤い始める頃。 ウグイスが鳴き、草木の芽が出始め、春一番が吹くなど、春の足音が間近に感じられることでしょう。 この節気の終わり頃には、桃の節句(ひな祭り)があります。 春の五臓(注)である「肝」をいたわる養生――深呼吸、早寝早起き、日光浴など――を意識して、ゆったりとリラックスして過ごしたい時期です。 (注)中医学の考えで、「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたります。
◆中医学的 雨水の暮らしかた ・心と身体の状態 立春に引き続き、冬の「陰気」が減り、ますます「陽気」が増えていくので「そろそろ活動しなければ!」とエネルギーが湧くのを感じられるでしょう。 一方で、なかなかその変化についていけない焦燥感から、心身ともにソワソワしている人も多いはず……。 春は、肝の季節なので、肝が活発に働きます。活発になるということは、プラスにもマイナスにも振れ幅が大きいということ。 つまり、肝が元気な人は、ウキウキした気持ちが湧いて活動的になれるのですが、裏を返せば、肝に負担がかかり、弱りやすくなるとも言えます。 その結果、肝の不調が悪化しやすくなるのです。 ・起こりやすい不調 先述の通り、春は肝の不調が出やすくなります。肝の不調から便秘、ガスが溜まるなど、胃腸トラブルに見舞われる人が多いでしょう。 また、肝は身体中の「筋(すじ)」をコントロールしているので、この時期は、足がつる・肩がこわばるなど、筋の不調を感じる人も多いかもしれません。 血流不良による悪化を招くことがないよう、まだまだ冷えには注意が必要です。 メンタル面では、情緒不安がよく見られる時期です。怒りっぽくなる・イライラ・憂うつ・焦燥感など、自律神経の乱れによる不調が出やすくなりがちです。