2月19日から「心身ともにソワソワ」する『雨水』。五臓の「肝」が活発になるこの時期に起こりやすい身体のトラブルとは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
◆養生 雨水の養生キーワードは、血(けつ)(注)を補う「補血(ほけつ)」と、肝を柔らかく健やかに保つ「柔肝(じゅうかん)」。 とくにイライラなどの“怒り”の感情は肝を弱らせてしまうので、とにかくこころを穏やかに過ごすようにしましょう。 イライラしたら、深呼吸を意識して。 春の陽気を胸いっぱいに吸い込むことで、自然と交感神経が落ち着き、リラックスすることができます。 また、できれば朝は早めに起きて、ゆるりと近所や庭を散歩しながら、春めく気候を感じるといいでしょう。 春と秋は「早寝早起き」、冬は「早寝遅起き」、夏は「遅く寝ても早く起きる」と覚えておいてください。 また、肝の時間とされる午前1時~3時には、きちんと睡眠を取ることが必須です。 太陽をしっかり浴びたり、深呼吸で「陽気」を取り入れつつ、肝が司る「筋」を伸ばすストレッチをすれば、この時期にピッタリと合った、肝をいたわる養生となります。 (注)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。
◆中医学的 雨水の旬のもの ・旬の食材1 イカ イカは、肝の働きを助けて血を補う、春先に最適な食材。しっかり血を補ってくれるので、貧血・月経不順・不正出血などの女性特有のトラブルにも効果的です。 また、メンタルの安定や目のかすみなどにも一役買ってくれます。養生的には、お刺身よりも加熱して食べるほうがいいでしょう。 おすすめの食べ方は「イカ団子」。鶏団子と同じように、片栗粉、卵白、塩と一緒にフードプロセッサーですり身にして固めれば、出来上がりです。 まだ肌寒い日がつづきますので、温かいスープに入れていただくと、身もこころも温まります。 ・旬の食材2 春キャベツ 冬キャベツは1~3月頃が旬で、春キャベツは3~5月に旬を迎えます。キャベツは、胃腸を元気にして脾を補う、まさに食べる胃腸薬。 キャベツは「補五臓(ほごぞう)」といって、肝・心・脾・肺・腎すべての働きを高め、元気にしてくれる最強食材なんです! 五臓は感情ともつながりますので(五志)、メンタルを安定させ、さらに足腰を強くしてくれる効能もあります。 ・旬の食材3 金柑(きんかん) 1~3月が旬の金柑は、気のめぐりを良くして肝の働きを助けるフルーツです。酸味と甘味があり、消化を助け、痰を解消して咳を鎮めてくれます。 定番の甘露煮のほか、春キャベツと一緒に酢のものにするのもおすすめです。酢の酸味は、気血のめぐりを良くする肝を元気にしてくれます! ※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
櫻井大典,土居香桜里