うちの会社では「当番制」で週に1回15分早出をしてオフィスをかるく掃除していますが、これって勤務時間ですか?
会社によっては、当番制で週に1回というように、始業時間前に出社して掃除をすることが暗黙の了解になっている場合があります。そもそも始業時間前に出社して掃除をする必要はあるのでしょうか。 また、始業時間前の掃除が労働時間と見なされて、残業代をもらえるか気になるところでしょう。本記事では、労働時間の定義をはじめ、始業時間前の掃除は労働と見なされるのか、残業代は発生するのかなどについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
労働時間の定義とは?
たとえ週に1回15分であっても、始業時間前に出社して掃除をしていれば労働時間として見なされます。厚生労働省の労働条件に関する総合情報サイト「厚生労働省 社会人として働き始めてからの労働法」によると、どこからどこまでが労働時間なのかは以下のとおりです。 ・実際に作業する時間や会議に参加する時間 ・作業前の準備や作業後の片付け、掃除をする時間 ・参加を実質的に強制された教育や研修を受けている時間 ・事業所内で作業着(制服)の着用を義務付けており、その着替えにかかる時間など 掃除の時間は労働時間に含まれるため、賃金が発生する時間と考えていいのです。 ◆法定の労働時間を超えた場合は残業代が発生 始業時間前の掃除が労働時間に該当し、かつ法定労働時間を超えた場合は残業代発生の条件に該当します。法定労働時間は、原則として1日あたり8時間、1週間当たり40時間までで、朝や夜などの時間帯は問われません。 ※出典:厚生労働省「労働時間・休日」 また、掃除だけでなく、朝礼や会議、着替えや業務上必要な作業が理由で法定労働時間を超えた場合も同様に残業代の発生対象です。 ◆自主的に掃除を行っている場合は残業代が発生しない 始業時間前の掃除が使用者の指示ではなく、自主的に行っているものであれば残業代は発生しない点に注意してください。労働法では、労働時間を「明示・黙示を問わず使用者の指揮命令下にある時間」と定義しているからです。 ※出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」 この場合の使用者とは、労働基準法で「労働者を使用する立場にある人物」「労働の対価として賃金を支払う人物」が該当します。