【ABC特集】大阪・関西万博まであと約300日なのに・・・進まぬパビリオン建設 原因は人手不足や資材高騰だけじゃない!? “業者決まっていない”アルメニアの舞台裏
「施工業者が決まっていない」東欧・アルメニアを取材
施工業者が決まっていない国の1つアルメニア。東ヨーロッパに位置するアルメニアは、人口約280万人、土地面積は北海道の3分の1程度と比較的小さな国です。 今回初めて、パビリオンを「タイプA」で出展することに決めたといいます。
(アルメニアの万博担当大臣) 「今回初めてタイプAを選んだということは、我々がいかにこの万博にかけているかということを示す。これは両国がお互いに理解を深める、とても良い機会です。ビジネス、よりよい友好関係、そして未来のための関西万博なのです」
アルメニアパビリオンの建築家は滋賀県出身の日本人
アルメニアのパビリオン建設に挑む、日本人の建築家がいます。滋賀県出身で、大阪に建築事務所を構える遠藤秀平さん(64)。これまで「コルゲート」という金属素材を用いた様々な建物を生み出してきました。建築家として35年のキャリアの中で、万博のパビリオンを手がけるのは初めてです。 遠藤さんが考えるパビリオンのイメージは、アルメニアを象徴する聖山「アララト山」。旧約聖書に出てくる「ノアの方舟(はこぶね)」が、最後にたどり着いた場所だとされていて、アルメニア人にとてもなじみ深い山です。 (遠藤秀平さん) 「アルメニアってどんな国だろうと思ってくれるきっかけになったら。どこにでもあるなにかではなくて、アルメニアの国のパビリオンでしか感じなかったなっていう、そういうものが伝わればいいと思っています」
前途多難・・・建設会社が契約の直前に辞退
パビリオンの設計作業や会議に打ち込む日々。ところが今年4月、これまで一緒に取り組んできた建設会社が、契約の直前に辞退することになりました。 (建設会社の担当者) 「予算が限られた中で、施工条件も週休2日とかなってくるので、ちょっと工期も短い中でやりづらい。1年・2年ぐらい前、資材価格等が落ち着いていた時期であれば、価格を合わせることはできると思うんですけれど」 物価高や人件費の高騰、さらに2024年問題で作業員の労働時間が制限されるなど、さまざまな問題が立ちはだかり、金額の折り合いがつかなくなったのです。 (遠藤さん) 「これがまた仕切り直しになりますので、また時間がかかるし、エネルギーもかかります。切り替えるしかないので、しかたないですね。」