ヘッジファンド、円の一段高を予想-オプション市場で賭け拡大
(ブルームバーグ): 一部のヘッジファンドが、オプション市場で円に強気のポジションを積み増している。円は7-9月(第3四半期)に、世界の通貨の中で最高のパフォーマンスとなっている。
トレーダーらによると、ヘッジファンドはオーストラリア・ドル、スイス・フラン、オフショア人民元などの通貨に対して円のロングポジションを構築している。トレーダーらが匿名を条件に語った。
日本銀行が、来週の会合ではないにしても追加利上げを実施する意向を示しているため、円は対ドルで6月末から約14%上昇した。米国の利下げの可能性も、円ショートポジションの急速な解消と共に、円高を後押ししている。
シティグループのアジア太平洋地域FXトレーディング責任者、ネーサン・スワミ氏によると、対円での下落が見込まれる通貨のさまざまなオプションに対する需要が見られる。「リバースノックアウトやアーリーノックアウトのようなボラティリティーニュートラルの戦略から、マーケットメーカーにボラティリティーのコストを支払うプットやプットスプレッドまで、さまざまな選択肢がある」と同氏は述べた。
来週半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)会合に続き、20日には日銀が政策を決定する。7月の0.25ポイント利上げの後、日銀当局者の一部は最近のコメントで、追加利上げの用意があることを示唆している。
日銀が年内の0.25ポイント追加利上げに含みを持たせた場合、円は上昇する見込みだ。スワップ市場は年内追加利上げの確率を32%しか織り込んでいない。
ラボバンクの外国為替戦略責任者、ジェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は「日銀が来週、年末か年初の追加利上げに対して扉を閉ざさない場合、ドル・円は今から3-6カ月の間1ドル=140円に向かって動き続けると予想している」と述べた。他のストラテジストは、ドル・円がより大きく下落し、年末までに135円に達する可能性もあるとみている。