「新型弾道ミサイル発射成功」北朝鮮が主張 韓国軍は「欺瞞も」
北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、新型の極超音速中長距離弾道ミサイルを6日に試験発射し、「成功した」と伝えた。北朝鮮のミサイル発射が確認されたのは昨年11月以来で今年初めて。一方の韓国軍は7日、飛行距離などの面で「『欺瞞(ぎまん)』の可能性が高い」として、同通信が伝えた内容を一部否定する認識を示した。 【写真】2025年1月6日、北朝鮮が発射した新型極超音速中長距離弾道ミサイル。朝鮮中央通信が配信した=朝鮮通信 同通信によると、試験発射は首都・平壌郊外で行われた。音速の12倍に達する速度を記録し、第1次頂点高度は99.8キロ、その後、第2次頂点高度42.5キロを記録し、変則的な軌道で「約1500キロ先の目標仮想水域に正確に着弾した」としている。また、今回のミサイルには新しい炭素繊維複合材が使用されているとし「いかなる防衛障壁も効果的に貫通し、相手に深刻な軍事的打撃を与えることが可能」と伝えた。 金正恩(キムジョンウン)総書記は今回の発射について「新型兵器体系を絶えず更新していることを証明した」とした上で「攻撃的な構想と行動ではなく、自主防衛のための構想と努力だ」と述べたという。 一方、韓国軍は7日、分析の結果、「飛行距離は約1100キロで2次頂点高度はなかった」として、同通信が伝えた内容を一部否定した。また、北朝鮮が昨年4月に発射した新型中長距離弾道ミサイル「火星16」を念頭に、「(火星16の)延長線上のミサイルだと見ている」との認識を示した。 また、北朝鮮と関係を深めるロシアによる技術協力については「断定的に申し上げることは難しい」としつつも「そういう可能性もあるとみている」とした上で、今後も北朝鮮が追加でミサイルを発射する可能性もあるとした。(ソウル=河野光汰)
朝日新聞社