「食べ残し禁止法」を制定した中国 激辛の火鍋汁も飲み干す?3年後の変化はいかに
一方、食品ロス削減に向けて強制的な措置を取る地域もある。 上海市のパンケーキ店。メニューには「小さいサイズ(60グラム)もご用意しています」とある。この店では1年前、大食いチャレンジ企画が問題視され、罰金3万元(約60万円)を科された。 当時の報道によると、大きいパンケーキ(170グラム)5枚とミルクシェークを10分以内に完食すれば無料という内容だったが、130人が挑戦し、成功率は25%未満。挑戦の様子が中継され、大部分が廃棄されたことが「社会風紀に悪影響を及ぼした」と判断されたという。 店の財務担当の女性は「影響はある。今でもお客さんから『あの企画はなくなったのか』と聞かれる。でも、法律なので仕方がありません」。 UNEPの2024年版のデータによると、中国の飲食店の食品廃棄は年6507万トンで、2021年版から横ばいだった。世界に占める割合は随一なだけに、一種独特な中国の食品ロス対策が今後どのような経過をたどるのか注目だ。
朝日新聞社