「お姉ちゃんのために、あなたを産んだ」…障害のある50歳長女に、4,000万円と不動産を準備した元公務員の両親。父亡き後、病で死にかける母へ震えながら放たれた「次女のひと言」【FPが解説】
障害者のきょうだいを持つケースは珍しくありません。こうした障害者は通常、親が面倒をみることになりますが、「親亡き後」はどうなるでしょうか? 本記事では、高橋恵子さん(仮名)の事例とともに、親亡き後の問題について、FP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
障害のある我が子の将来に関するさまざまな問題
厚生労働省は、5年に1回「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実施調査)」を行っています。 令和4年の調査結果から障害者の推計値は1,164万6,000人で、人口の約9.3%になります。そのうち身体障害者は423万人、知的障害者は126万8,000人、精神障害者は614万8,000人です。 親が元気なあいだは、親が障害のある子どもの生活などを支えながら暮らすことができます。しかし、親が亡くなったあとについて考えると、親にとっても不安が大きくなるようです。家族と一緒に住んでいる場合では、子どもを「いい施設」に入所させようと思っていても、気持ちの整理がつかず準備もできないまま、日々が経過する場合も少なくありません。 親が亡くなったあとに発生する問題の主なものは、以下になります。 ・家族のように、本人をよく理解して生活や判断の手助けをする人がいなくなる。 ・家族に代わって身の回りの手伝いをする人がいない。 ・一人で適正な医療を受けることが難しい。 ・一人で契約/手続きすることが難しい。 ・単独での財産管理が難しい。 ・親亡き後に住む場所がなくなる。 ・毎月の収入が少なく生活が苦しい。 ・親亡き後に社会に居場所がなく、孤立・孤独の状態になる。 ・悪徳商法・財産侵害の被害に遭う。 ・災害時時に被災しやすい。 (以上出典:社会福祉法人 岡崎市社会福祉協議会 ) ・親が亡くなったときの事務的な手続きや葬儀などの対応。 ・財産が国庫に帰属する可能性がある。 親の高齢化に伴って、認知症などで親自身の判断が難しくなってくることにも備えておく必要もあります。