【インテリア業界の売れ筋とSNS分析】流行と戦略のマッチングが鍵
昨今のインテリアECは、店舗展開の推進やBtoBへの参入、プロダクトを軸にした取り組み強化が進んでいる。さまざまな取り組みが進むのと同時に、各社の売れ筋アイテムの動向が異なる様子も目立つ。SNS訴求と並行して動画を活用した施策も進む。売れ筋商品が異なる背景には、毎年変わるトレンドや消費ニーズが関係しているようだ。各社の売れ筋商品やSNS訴求による効果などを取材しつつ、2025年の各社の戦略に追った。 【図表】各社の施策の比較や注目アイテム <トレンドは短期化の傾向> 各社の売れ筋アイテムや売れた背景、SNSの実数値などを調査し、各社の動向をまとめた。 外部環境や消費トレンドの変化に伴い、今年の売れ筋に動きが見られた。 友安製作所では、2023年末から壁材の強化を図ったところ、売れ筋商品の上位を壁材が占めるようになった。壁材における「戦略商品の母数を増やそうと進めてきた」(友安製作所 友安啓則社長)と振り返る。 一方、トレンド商品の人気が短期間で収束する動向も捉えている。昨年はよく売れた商品が今年は上位に入らない。こうした変化を確実に捉えるプロダクト開発を仕掛けないと、売り上げに響くことがあるようだ。 ミサワも売れ筋の変化を実感している。「前年と比較するとカテゴリーを問わず、2024年に出した新商品が売れ筋になった」(ミサワ 担当者)と分析している。各商品カテゴリーでこの動きが見られるという。 フィルでは、ファブリック素材の壁紙「Hattan」の販売が順調だった。「Hattan」は、はがせるのが特徴で、従来品とは違ってゆっくり認知が広がったという。 今年はマスキングテープ感覚で貼ってはがせるシール壁紙「EASY WALL TAPE」の販売が上々だった。マスキングテープを使う手軽さが伝わりやすく、SNSなどで急速に広がったという。イメージのしやすさから「Hattanを上回ったと分析している」(フィル 担当者)と話している。 カリモク家具は、昨年の販売状況と大きな違いはなかったが、商品選びの変化を捉えているようだ。「住宅事情によりマンションの平米数が小さくなったことで、ソファはサイズオーダーやコンパクトなサイズの展開でフィット感が選択肢になっている」(担当者)としている。