大原優乃が描く今より“10倍”多彩な将来像「挑戦することでまた変わりたい」
ひたむきで実直。明るいイメージとはまた違う、時折見せるどこか不安そうな表情は人一倍強い向上心やプロ意識の表れだ。大原優乃がヒロインを務めた映画『おいしい給食 Road to イカメシ』が5月24日に公開された。市原隼人演じる“霊長類最強の給食愛”を持つ教師・甘利田幸男が繰り広げる「食ドラ」も3シーズンが放送され、3作目の映画化。今回もコメディタッチの描写のなかに社会へのメッセージがしっかりと刻まれている。 【撮り下ろし写真多数】たゆまぬ向上心で女優としても大活躍の大原優乃 大原の役どころは、甘利田が教育係を務める英語教師の比留川愛。シーズンを重ねるごとにファンを増やす人気シリーズに、新たな息吹を注いだ俳優・大原優乃の今を紐解く。
当たり前のようで貴重な現場だった
──映画をやると聞いた時のお気持ちはいかがでしたか? 最初にドラマと一緒に映画のお話もいただいたのですが、私はseason3で参加させていただいた身なので、これまで携わられてきたキャストとスタッフの皆様、作品ファンの皆様に負けないくらいの作品愛を持って現場に入らせていただこうと思いました。 ──その作品愛を大原さんなりにどう表現していったのか。いざ現場に入ってみた時の印象も教えていただけますか。 これまでのヒロインは甘利田先生がボケだとしたらツッコミのような立ち位置で、セリフの掛け合いがあったと思うんですけど、ボケとボケがいてもいいんじゃないかなと思って。頼りない比留川愛先生のキャラクターを自分で肉付けできる、と思って現場入りまで役作りをさせてもらいました。撮影にはそれぞれの部署の方が作品のイメージをしっかり持って入られていたので、そんな現場は当たり前のようで貴重な現場だと思いました。 ──過去のインタビューで、大原さんは事前にその役を作り込み過ぎず、現場でのやり取りなど、そういったライブ感を大切にされてるとお話されていました。今回はいかがでしたか? 作品に入るまでは役についてたくさん勉強して準備するんですけど、今回は甘利田先生との掛け合いのシーンとか、特に脚本を超えてくるお芝居を市原さんがされるので、良い意味で想定通りにいかなくて。だから現場では市原さんからいただく芝居を、こぼさず返せるように集中していました。 ──やはり市原さんの振り切った演技は現場で初めて目の当たりにしてるんですね。 そうですね。市原さんがされている動きは脚本になくて、市原さんが演出されてるので。例えば顔を近づけてくる甘利田先生でも代表的な動きがあると思うんですけど、引いたらその分迫ってくるみたいな押し引きがあったりして。最初は比留川先生も甘利田先生に近づかれたら引いちゃうようなキャラクターだったと思うんですけど、映画ではいろんな意味でぐっと距離が縮まってると思うので、ドラマから映画を続けて見ていただいて、その変化もぜひ注目していただきたいです。 ──改めて、市原さんから受けた影響について教えていただけますか? カチンコが鳴る直前までシーンにまっすぐに向き合われていて、一度段取りで完成していたとしても、悩み続けてらっしゃる姿がとても印象的でした。こんなに真っ直ぐに作品と向き合ってる役者さんに出会ったことがなかったので、こんな役者になりたいなって思える先輩です。 ──比留川先生も表情豊かなキャラクターで、ドラマから映画になるにつれてより豊かになっているように見えました。 そこは意図的に演じてた部分で、脚本を見て教師らしくない教師だなという印象を受けたので、最初は教師らしくしないよう心がけていました。気づいていただけてありがたいです。 ──これまでに大原さんが出演された作品を拝見して、いち視聴者として大原さんが演じて良かったな、適役だなと思う役ばかりで。 えー! 本当ですか。 ──YouTubeで「褒められて伸びる」っておっしゃっていたので(笑)。 嬉しいです。伸び伸びとお話しできそう(笑)。 ──今回も「自分が教師を演じるなら」という意味で大原さんならではの見せ方、現場での在り方でこだわった部分はありますか? 連ドラデビュー作の『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』もそうですけど、いろんな学園ものに生徒役として出演させていただいて。今回初めての教師役だったんです。これまでに錚々たる先輩方が演じられてきた教師を見てきたので、自分に務まるのかっていう不安があったんですけど、常に可愛くいて生徒の皆さんに友達のように慕ってもらう役柄だったので、空き時間とかに生徒の皆さんと恋バナしたり、たわいもない話をさせてもらっていたのが自分の中でも救いになっていました。