「新NISA一辺倒」の50代が知らないと大損する、老後資金の“賢い貯め方”
1年経過すれば解約できますが、中途換金した場合の換金額は、「額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額(直前2回分の各利子[税引前]相当額×0.79685)」となり、換金したお金は約定日から起算して3営業日後に受け取ることができます。 前述の内田さんは100万円を貯金するのではなく、国債に投資することにしました。それも少しずつ様子を見ながらです。また、新NISAにも国債が組み入れられている投資信託があるので、こちらにも少し投資しました。 ● 国債よりもおトク? 史上空前の人気、社債の実態 さて、実は個人向け国債よりも空前の人気となっている投資があります。それが社債で、過去最高の発行額になっています。 社債とは、企業が事業資金を調達するために発行する債券のことです。業績が悪化している企業などは、場合によっては銀行から資金を借りることができないため、個人投資家から借りるために社債を発行するケースもあるでしょう。ハイリスクであることも理解しておく必要があります。 個人向け社債は、100万円ほどを小口化して最低購入単位10万円ほどで発行することが多いです。投資家が国に貸す国債よりもリスクが高いため、利率が高くなっています。 格付けは主にBBB(トリプルB)以上で、BB(ダブルB)以下は債務不履行(デフォルト)の可能性があり、リスクと投機性が高いのですが、その分利率は高くなります。ソフトバンクグループや楽天、東京電力などは利率が高く話題になっていますが、元本割れのリスクがあります。投資する際には財務諸表で、企業の経営状態などをよく確認することです。 かつての内田さんなら、社債に注目したかもしれません。でも、成功体験は自分の判断力や銘柄選びが良かったわけではなく、株価上昇局面だったからだと自覚して、堅実な投資方法に切り替えることにしたのです。 このように、投資方法を年相応のものへと変えていく意識は必要です。このことは、内田さんが投資セミナーに出かけたからこそ気づけたことです。また、株高がいつまで続くのか不安だという人は、金利の上昇に注目しましょう。悔いのない老後を迎えるために、今から投資スタイルをよく研究しておくことが重要なのです。 (生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)
柏木理佳