ロータス新型「エメヤ」は918馬力の超高性能GT。EVになっても軽快な走りは不変か?【試乗レビュー】
ロータスから超高性能GT「エメヤ」が登場した。「ハイパー・グランドツアラー」として開発された新型EVの実力や如何に。モータージャーナリストの大谷達也が試乗した。 【写真】ロータス新型「エメヤ」の詳細を見る!(全45枚)
ロータスの過去・現在・未来
イギリスのロータスと聞けば、ライトウェイトスポーツカーのことを真っ先に思い起こす方がほとんどだろう。 1957年にデビューしたロータス・セブンはいまもケイターハム・ブランドで作り続けられている伝説的なスポーツカー。1962年にリリースされた初代エランは、その流麗なスタイリングとコンパクトなボディでいまも根強い人気を誇る。これを追うようにして誕生したミドシップスポーツカーのヨーロッパは、あの「サーキットの狼」にも登場してスーパーカーブームの一翼を担った。 現代のロータスに続く系譜でいえば、1996年にデビューしたエリーゼを忘れるわけにはいかない。ここで生まれた「接着式アルミニウムシャシー」はやがてエキシージやエヴォーラにも採用され、30年近くにわたって文字どおり「ロータスの屋台骨」となってきたテクノロジーである。 どちらかといえば作りは簡素でも、軽量さを武器に良好なバランスと軽快なハンドリングで多くのファンを魅了してきたロータス。しかし、ここ数年、彼らの方針が大きく変化したことをご存知だろうか? きっかけは、2017年に中国のジーリーがロータスを買収したことにある。中国では電動化が進んでいることもあって、ロータスも2028年までにフルEVメーカーとなることを宣言。この計画に従って超高性能スポーツカーのエヴァイヤ、SUVのエレトレといったEVがすでに登場しているが、これらに続く第3弾としてデビューしたのが、ここで紹介するエメヤである。 エレトレとプラットフォームを共用するエメヤは、全高がエレトレより170mmほど低い4ドア・モデル。ロータスはエメヤのことを「ハイパー・グランドツアラー」と呼んでいる。 グランドツアラーとは、つまり長距離を高速で快適に移動するクルマのこと。そこにハイパーを付け加えて超高性能であることを強調することで、エメヤのコンセプトとしたのである。