夢のようなシングルエンジンのかつてないパフォーマンスに興奮!【ドゥカティ ハイパーモタード698モノ試乗】
厳しい規制をクリアし、長いメンテナンス距離も実現!
このエンジンのプロジェクトは4年前からスタート。技術会議で1人のエンジニアが「1299パニガーレのエンジンを使って単気筒エンジンを作ったら、市販最強の単気筒ができる」と提案。その会議に出ていた全員が参加したのだという。最も苦労したのは厳しい規制をクリアすることと、メンテナンス距離を伸ばすことで、こういったハイパフォーマンス単気筒の弱点も完全に克服してきた。 「ハイパーモタード698モノ」は今回試乗したスタンダードと、派手なグラフィックとクイックシフトを標準装備するREVの2機種を用意。価格はスタンダードが170万円、REVが182万円となっている。 「車両価格が高い……」そんな声も聞くが、それはこのエンジンの中身を見てから発言した方がいい。各パーツの作り込みはもちろん、その材質の選定や表面処理を見れば、これほどまでに手間とコストのかかった市販単気筒エンジンが、今までに存在しなかったことがわかるだろう。
ロードスポーツとしても楽しめる広い守備範囲
スーパーモタードと聞くと、どうもピンとこない方も多いと思う。僕も昔はそんな1人だし、進入スライドといったモタード乗りもできないのだが、ドゥカティのモタードはロード乗りもきちんと許容してくれる。 「ハイパーモタード698モノ」もそんな1台。国内仕様はサスペンションが変わるため、ハンドリングの印象は変わるが、軽量、スリムでパワフルな単気筒エンジンの魅力を生かしたパッケージは様々なバイクライフにマッチすると思う。自分の色に染めていけば良いのである。 サーキットの後は一般道へ。「ロード」「アーバン」「ウエット」のモードを一通り試し、国内仕様のシート高が下がることを踏まえると様々なライダーにマッチする姿が浮かんだ。「アーバン」「ウエット」にすれば、強烈なレスポンスはないし、電子制御もわかりやすく介入してくれるからだ。当然、軽量&スリムなメリットも大きい。 実は「ハイパーモタード698モノ」はかなりの台数の予約が入っているとのこと。市販最強単気筒エンジンへの期待が大きいことに嬉しくなる。誰も感じたことのない未知のエンジンなのだから、当然かもしれない。冒頭にお伝えした僕の感じた『忘れ難い興奮』を多くの方に知っていただきたい!
ドゥカティ ハイパーモタード698モノRVE&ハイパーモタード698モノ [2024]主要諸元
・ホイールベース:1443mm ・車重(燃料含まず):151kg ・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒659cc ・最高出力:77.5PS/9750rpm ・最大トルク:6.4kgf・m/8000rpm ・燃料タンク容量:12L ・変速機:6速リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=120/70-17、R=160/60-17 ・価格:182万円(170万円) ()内はハイパーモタード698モノ
小川勤