女子日本代表のムードメーカー、馬瓜エブリンのパリ五輪へ向けた決意「みんなを勇気づけられるプレーをしたいです」
「一つひとつ、いろいろな試練を乗り越えてきた過程を踏んでいるのが楽しいです」
東京五輪での銀メダルを大きな起爆剤に、女子バスケの注目度は急上昇した。エブリンを筆頭に選手の知名度も飛躍的に向上するなど、女子バスケの立ち位置は大きく変わった。パリ五輪で2大会連続のメダル獲得という快挙を成し遂げられれば、その地位をより確固たるものにできる。それだけに重圧を感じるのは当然なはずだが、エブリンにはここで結果を残せなかったら今の人気に悪影響が出るかもしれない、という不安はない それは、女子バスケの魅力をすでに多くのファンが分かってくれているという信頼があるからだ。「女子のバスケの良さは、試合では一生懸命にプレーし、速い展開から3ポイントを高確率で決めること。練習から手を抜かずにやって、みんな底抜けに明るく、コミュニケーションをしっかり取れているというところを皆さんにしっかり届けられていると思います。自分たちはいつでもチャレンジャーということで怖さはないです」 エブリンは東京五輪後に『人生の夏休み』と評した1年間の休養を取るという、バスケ界では稀有な道のりを経て、再び五輪の舞台に立つ。ここで自身が活躍することで、キャリアの歩み方に新たな可能性を提示できる。そういった背景も含め、彼女への注目度はこれまで以上に上がっているが、この状況を楽しめる逞しさを持っている。そこには、これまで着実に自身の目指すゴールへと近づいてきた、地道な積み重ねが裏付けにある。 「東京五輪が終わり1年休んで、復帰してからここまで一つひとついろいろな試練を乗り越えてきた過程を踏んでいるのが楽しいです。自分の中で、これを乗り越えてきたから大丈夫というのを書き留めています。もちろんこの合宿中でも、乗り越えたことを一つひとつ数えています」 そして「(五輪の)プレッシャーを乗り越えられるのか楽しみです」と、五輪をさらなる自身のステップアップの場にしたいと締めくくった。今回のエブリンは出場選手の中で最も小さい部類のセンターとして大会に臨むが、同時に彼女以上に3ポイントシュートを積極的に打っていくセンターもおそらくいないだろう。『走り勝つシューター軍団』という女子代表のコンセプトを誰よりも体現する1人として、またシュートを決めた後の雄叫びなどチームにエナジーを注入するムードメーカーとして、エブリンはより重要な存在となって2度目の五輪へと向かう。
鈴木栄一
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