「クビでも仕方がない…」中央大、箱根駅伝“まさかのシード落ち”から10カ月「予選会で6位って、大丈夫かね?」の声も…青学大・原晋監督が警戒する実力
今年の1月、中央大学の藤原正和監督に話を聞いたときのことだ。 前回の箱根駅伝で優勝候補の一角とみられていた中大だったが、13位に終わり、シード権を逃していた。藤原監督はいう。 【発掘写真】「涙、涙、涙…」箱根予選会“史上最大の事件”といえば…8年前中大キャプテンが流した涙&「ショック…」“暑すぎた”予選会ゴール直前で棄権する姿などすべて見る 「毎年、箱根駅伝のあとには中央大学の理事会、理事懇談会といった、いくつかの報告の場があります。今回ばかりはクビだと言われても仕方がない。その覚悟で臨みました」 昨年末にチーム内で感染症が蔓延、レースを走った10人のうち、体調が良好なのは2人だけという状態だった。藤原監督はその状況を包み隠さず報告し、理事たちの前で結果を詫びた。 「ある理事の方から、『状況は分かりました。もう一度、こういうことがあったらクビです。が、そういうことはないでしょう。今回のことは事故だと思って……今後とも強化を進めてください』というお言葉をいただきました」 藤原監督にとって、針の筵だったに違いない。想像するだに冷や汗が出てくる。 中大は陸上競技部の長距離ブロックを「フラッグシップスポーツ」、大学の顔、看板と捉えているだけに、強化を任される監督は責任、プレッシャーと直面せざるを得ないのだ。 前回の箱根駅伝を受け、中大は再出発したといえる。
「予選会で6位って、大丈夫なのかね?」
そして迎えた今年の箱根駅伝予選会。結果は6位だった。取材が終わってから立川駅への道すがら、中大の卒業生と思しき人たちがこんな会話を交わしていた。 「予選会で6位って、これ、大丈夫なのかね?」 大丈夫である。 主力の5人を欠いて、この結果なのだから。 藤原監督には継続的に取材してきたが、今季のアプローチは、次のようなものだった。 「今年2月の時点で、前回の箱根駅伝の7区で区間賞を取った吉居駿恭(3年)は、予選会を走らせないと決め、それを部員にも告知しました」 世界の舞台を目指す吉居は、夏場のトラック強化を経て、11月の全日本大学駅伝、そして1月の箱根駅伝へと、「別路線」を歩ませることとした。
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