「クビでも仕方がない…」中央大、箱根駅伝“まさかのシード落ち”から10カ月「予選会で6位って、大丈夫かね?」の声も…青学大・原晋監督が警戒する実力
「主力を温存」報道の“誤解”
チーム全体としては初夏までのトラックでの強化に続き、夏場から例年よりも早くロードを意識した練習メニューを組んで、予選会では「吉居抜きでのトップ通過」を目指した。 実際、中大の選手たちはトラックで躍動した。その筆頭は溜池一太(3年)で、アメリカ合宿から覚醒、7月には10000mで27分52秒38の中大記録をマーク。また、3000m障害では柴田大地(2年)が日本選手権で2位に入るなど、チームに勢いがあった。 ところが、9月に溜池、柴田が故障。箱根駅伝予選会を回避せざるを得なかった。 予選会前に「主力を温存」という記事が散見されたが、吉居はともかく、溜池と柴田は故障による戦線離脱だ。これではさすがにトップ通過は厳しいというわけで、藤原監督もレースの力点を変えた。 「溜池、柴田については、トラックのスピードをロードに変換できるかどうか見たかったところですが……。この2人を欠いて、どれくらい戦えるかに視点を切り替えました。正直、1年生が5人走る布陣では簡単ではないと覚悟していましたが、よく走ってくれました。ただ、この暑さには参りましたね」
10月19日なのに…30度を超える真夏日だった
10月19日だというのに、暑かった。いや、暑すぎた。東京都心では30度を超える真夏日。取材しているだけでも、顔、首、耳、腕が真っ赤になるほどの強烈な日差しが降り注いだ。 中大勢は序盤に無理に仕掛けることなく、慎重にレースを運んだ。チーム内6位に入った鈴木耕太郎(2年)は暑さについてこう話す。 「気温が上がったので、最初の5kmを15分25秒前後で入るというプランでした。流れのなかでは、日体大さんの集団を目印にしていたんですが、日体大さんの入りが速かったんです。結局、5kmを15分15秒くらいで入ることになり、『これは速すぎるかも』と自重して、後半に備えました」 今回の予選会は、多くのチームの主力が棄権した。東京国際大のキャプテン楠木悠人、神奈川大のエース宮本陽叶、東海大のロホマン・シュモンらが体調不良となり棄権。今回は解説を務めた神奈川大の大後栄治前監督は、こう話した。 「レース前、何校かの監督さんに、『大後さんだったら、この暑さ、どうしますか? 』と聞かれたので、20秒か30秒、設定を下方修正した方が無難と話していたんです。結果として、今回はスピードのある学校ほど、たいへんなレースになりました。最初の5kmをポーンと入ってしまい、後半になってダメージが来てしまったんじゃないでしょうか。異常気象の影響としか言いようがありません」
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