木場弘子 最も簡単で効果のある「共感」の生み出し方<元気な挨拶>。「ボソボソ挨拶する人とさあ、仕事の話をしようとは思えませんよね?」
文化庁の「令和3年度 国語に関する世論調査」によると、言葉の使い方の社会的課題として「場にふさわしい言葉遣い」「中傷的な発言」を挙げた人が多かったそう。そのようななか、「話し方には、<人生>そのものが表れる」と話すのは、TBS初の女性スポーツキャスターとして活躍し、現在は大学教授や企業の社外役員も務める、フリーキャスターの木場弘子さん。そこで今回は、木場さんの著書『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』から、木場さん流・人生が磨かれるコミュニケーション術を一部ご紹介します。 【書影】フリーキャスターが「伝わる」ための真のコミュニケーションを提案。木場弘子『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで 30 年間やってきたこと』 * * * * * * * ◆挨拶をされて嫌な人はいない Q.話し手と聞き手の距離を縮め、対話や討論をスイングさせるためには、どんなことから始めればいいのでしょう? 対話とは、何より相手との“共感”を育てることです。 「共感」の先に、聞き手はより深く「理解」したいという意欲を持ってくれるものです。 何事につけ「言うは易く、行うは難し」で、対話には「共感」が大切ですよと聞いたところで、それを実際に行えなければ意味はありません。 そんな風にならないよう、ここでは最も簡単で、効果のある「共感」の生み出し方をお教えしたいと思います。 それは――「元気な挨拶」です。 と、お話しすると「そんな、幼稚園の子どもに言うみたいな話」と、呆れる声が聞こえてきそうですが、ちょっと待って下さい。
◆「おはっす」は世代を問わず存在する たとえば、こんな場面を考えてみましょう。 朝一番の職場に入って来るスタッフの様子―― 「おはようございます! 爽やかないいお天気ですね!」 なんて、笑顔で元気に挨拶する人と、 「……おはっす(おはようございます、と言っているつもりのよう)」 なんて、目も合わせずにボソボソッとつぶやくだけの人、どちらの相手と仕事の話をしたいと思いますか? 答えは、聞くまでもないでしょう。 まさか今時、「おはっす」さんのような人はいないだろうと思いきや、周りのスタッフに聞いてみると、世代を問わず意外なほどいらしたそうです。 でも、これでは互いにテンションも上がりませんし、ましてや「共感」を持ってビジネスの話をしようという空気にはなりませんよね。 知人の管理職の方々に伺うと、最近は部屋に入ってきても挨拶をしない“忍者”のような人が増え、少々イラつくこともあるとか。
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