「光る君へ」目指したのは人間ドラマ 「吉高由里子は天才」 チーフ演出・中島由貴さん
■現場の空気が澄んでいた
まひろ役の吉高由里子は、15歳の少女時代から晩年までを演じた。「スタッフに対する目配せも含めて、ぱっと彼女がオープンになるから、みんなかたくならない。ずっとそれを持続しているんですけど、やっぱり最後まで来て、この人天才なんだなと思いましたね」と話す。
吉高の演技のすごさを感じたからだ。「スイッチが入った時の爆発力。本物が出てくる。演技をしているというよりも、本当が見える。計算とかじゃないんじゃないかなと思ったりするぐらいポテンシャルが高い女優だということをひしひしと感じました」と話す。
道長役の柄本については、「すごくフラットで、普段もいかつい感じが全くなく、スタッフに対して、彼もオープン。誰も委縮させないし、現場でも、声を荒げることはもちろんありません。2人ともそんな感じだったので、現場の空気が澄んでいたと思います」(油原聡子)
■中島由貴
なかじま・ゆき 1992年NHK入局。連続テレビ小説「ウェルかめ」「スカーレット」など多くのテレビドラマの演出を担当。大河ドラマは「秀吉」「平清盛」の演出に関わった。