SNSのやりすぎが「うつ病」につながるワケ。心理カウンセラーが警告する、無意識のうちに心をすり減らしている習慣
SNSを見すぎてしまう
【シーン1】SNSをついダラダラと見てしまうのをやめられない。気づくと1日の大半を費やしてしまい、時間を無駄にしたことを後悔する。
SNS依存をやめるには、環境を変えるしかない
見ることをやめたくてもやめられないのは、典型的なSNS依存の状態です。 ネガティブな感情にならないためにも、ダラダラと過ごすこと自体は悪いことではありません。 心の疲れをリセットするために、何もしないでボーっと過ごしたり、1日横になってゴロゴロ過ごしたりすることは、むしろ必要なことです。だから、ダラダラと過ごしたことには罪悪感を持たなくても良いでしょう。 ただし、「SNSのチェックで1日が終わってしまった」「1日だけではなく何日も同じように過ごしている」という状態ならば、少し問題です。タバコをやめられない人と一緒で、依存状態に陥っています。 そして、こうした依存をやめるには、環境を変えるしか方法はありません。
強制的にシャットアウトして、SNSから距離を置く
本当にSNSチェックをやめたい気持ちがあるなら、 ・「1日1時間は電源を切る」 ・「使用時間を制限するアプリを使う」 ・「違う部屋に置くか、家族に預けてしまっておいてもらう」 など、自ら離れる方法を実践してみてください。 最初は「見たい」という気持ちが抑えられずソワソワするかもしれませんが、それに慣れてくると他のことに目を向けられるようになります。徐々にSNSと距離を置くことができると、「今日はいつもとは違うことができた」というポジティブな感情が生まれてくるでしょう。 SNSは自分が必要としていない情報は排除され、興味関心のある情報が上がってくる仕組みになっています。それに加え、スマホで見たときに次の動画や情報をつい見てしまうような工夫がされているのも特徴です。 こうしたトラップによって、私たちはSNSにどんどんハマってしまい、次の情報を見ずにはいられなくなります。まさに、誰でも依存しやすい仕組みになっていることを自覚しましょう。 SNS依存から離れて時間を有効に使いたいと思っているなら、自分から強制的に距離を置く勇気が必要です。SNS以外に視野が広がれば、今よりもっと楽しくポジティブな日常を過ごせるでしょう。 次回は、SNSで他人と自分を比べて、ネガティブになってしまった時の対処法をご紹介します。
〈著者プロフィール〉大野萌子(おおの・もえこ)
公認心理師/2級キャリアコンサルティング技能士/産業カウンセラー 一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事、企業内カウンセラーをはじめとす る相談業務において2万人以上のカウンセリングを担当。また長年の現場経験を生かし、 人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント教育を得意とする。官 公庁・企業・大学などで講演・研修を6万人以上に実施。著書にシリーズ51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑(サンマーク出版)』ほか、『世界一受けたい授業』などメディア出演多数。
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