SNSのやりすぎが「うつ病」につながるワケ。心理カウンセラーが警告する、無意識のうちに心をすり減らしている習慣
SNS疲れしていませんか?
毎日スマホを触り、SNSをチェックするのが日課になっている人も多いのではないでしょうか。しかし、楽しいはずのSNSが、心の負担になっていると感じることもありますよね。SNSは便利なツールですが、使い方によっては心の健康を損なう可能性も。 SNSの使いすぎは不幸になる!? うつの原因にもなる「SNS疲れ」に効果的な対処法とは? そこで今回は、2万人以上のカウンセリングを行ってきた公認心理師の大野萌子さんの著書『ネガティブな自分のゆるし方』(クロスメディア・パブリッシング)から一部抜粋して、SNS依存から抜け出すための具体的な方法や、心の状態とSNSの関係性について解説します。SNSとの適切な距離感を保ち、自分らしい生活を取り戻しましょう。
SNSの利用頻度が高いほど、うつ病になりやすい
企業の研修でお伝えしているのですが、「否定・非難・批判・比較」はトラブルになりやすい言動で、私はこれを「4H」と呼んでいます。 ネットやSNSで起こるトラブルは、この中の「比較」に当てはまります。SNSの投稿と自分を「比較」し、自分自身がネガティブになるケースが非常に増えているのです。 SNSは多くの人とつながりを持てたり、知らない情報に出会えたりと、楽しく便利なサービスです。しかし、現実を忘れるほどその世界に没頭してしまうと、私生活に影響を及ぼして現実と理想のギャップに苦しくなり、ひどい場合はうつやパニック症状といったメンタル不調を引き起こす場合もあります。 まずは、SNSの世界は発信者によって作られた、本当とウソが入り混じる世界だと認識することが大事です。「1枚の画像」「数秒の動画」は、その人の生活のごく一部を切り取ったものに過ぎません。SNSの真偽の判断をせず、発信者が見せたい世界を加工して作り上げ、それを投稿していると思っておきましょう。 また、どうしても「SNSを見ると心がざわつく」という人は、少しお休みをとるべきタイミングです。 ピッツバーク大学医学部研究チームの研究では、SNSの利用頻度が高いほど、うつ病になりやすいという結果が出ています。 SNSは、生活を充実させるための補助ツールと考えると、これほど便利なものはありません。興味関心のある情報をきっかけに、欲しかったものを買うことができたり、美味しいお店を発見できたりします。また、リアルに会えていない友人や知り合いの投稿を見て、コメントや「いいね」をすることで、心のつながりを感じることができます。 SNSは使い方次第で生活の質を上げてくれるので、自分の感情と上手に折り合いをつけながら、自分を消費しない使い方を心がけましょう。