夏野菜5品目セットで首都圏PR 人材育成にも注力 JAいわて平泉
JAいわて平泉は、園芸振興に力を入れている。中でもトマト、ナス、ピーマン、キュウリ、ミニトマトの果菜5品目がそろう産地として、首都圏を中心にPRする。新規生産者の確保に向け、地元行政など関係機関と連携し、JA職員として働きながら農業研修をする人材育成にも取り組んでいる。 JAは2014年にJAいわて南とJAいわい東が合併し発足。特徴の異なる2JAだったが、共に園芸が盛んで、特に果菜5品目はまとまった出荷量があり、促成栽培や夏秋栽培などの作型配置で、長期間出荷できる産地となった。 現在は、果菜5品目をセットで販売できる産地として、首都圏の青果市場を中心にPR。スーパーの野菜売り場を「JAいわて平泉の夏野菜」として販売することに注力する。トップセールスは、果菜5品目の部会共催で、各部会長とJA組合長らが参加する。 23年には、果菜5品目のPR動画、24年にはPRちらしを作成した。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している他、スーパー店頭での公開や、ちらしに掲載したQRコードからの閲覧を通じ、消費者に産地や生産現場を知ってもらうよう取り組んでいる。 生産者の高齢化や後継者不足に対応するため、行政機関と連携し「一関地方新規就農トータルサポートシステム」を構築する。毎月1回、新規就農ワンストップ相談窓口を開設。就農希望者に対し、関係機関が一堂に会し、各種研修や支援制度の紹介などをしている。 就農希望者が農業技術を習得する研修制度は、一関市と協力して行う。研修生は1年間JAの臨時職員となり、希望する品目の優良生産者の元へ出勤し、一連の生産現場を学ぶ。この他、県立農業大学校などで研修し、農業や経営に関する知識を習得する。相談窓口と研修制度は15年から行い、33人が研修制度を利用、26人が就農した。就農後も、担い手に出向くJA担当者(愛称TAC)や営農指導員が手厚く巡回指導をする。 宮下琢さん(37)は、21年度に研修制度を利用し、22年に就農した。ピーマン40アールを栽培する。「制度を利用したことで部会にスムーズになじめた。コミュニケーションを取り楽しく農業に取り組めている」と語る。 ピーマンの指導を担当するJA園芸課の阿部凌馬さんは「研修で学んだことを踏まえ、考えながら栽培に取り組んでいる。若手の活動など、さまざまな機会に参加し経営に生かしてほしい」と話す。
日本農業新聞