リニア先進ボーリング 県境静岡側10メートル地点で終了 JR東海「穴詰まりで困難」
JR東海は6日、リニア中央新幹線トンネル工事に伴い静岡・山梨県境付近で実施している高速長尺先進ボーリングについて、地質がもろい箇所で穴詰まりが発生し継続することが困難になったとして県境から静岡側へ10メートル地点で終了すると発表した。今後、先進坑を山梨側の県境手前まで掘り進め、改めて静岡側のボーリングを実施するとしている。 現在のボーリングは県境から山梨側へ501メートル地点から5月に始めた。県境の静岡側に確認されている大規模破砕帯の東側への広がりを確認するため静岡側に約300メートルある未調査区間を調べるのが主な目的だったが、次のボーリングに持ち越すことになった。JRによると、今回のボーリング湧水量は管理値を大幅に下回る状態が続いた。ボーリングで開けた穴は県境付近で閉そくして止水する。 JRは山梨側の先進坑を県境から478メートル地点まで掘削している。今後、県有識者会議専門部会で山梨側と静岡側のボーリング湧水成分の比較分析などを行った上で管理手法を協議し、どの地点まで掘削するか決める。 鈴木康友知事は「今後の先進坑掘削計画について専門部会で科学的・工学的な観点から確認してもらう必要がある。大井川流域8市2町や利水者などの関係者にもJRから丁寧に説明し、理解を得る必要がある」とコメントした。
静岡新聞社