防衛増税、所得税先送りで自公合意 「103万円の壁」は自公が123万円に引き上げ提案
自民・公明両党は13日、令和7年度与党税制改正大綱で、防衛力強化に伴う増税について所得税の増税時期決定を先送りすることで合意した。法人税とたばこ税は8年4月に増税する。国民民主党を含む3党協議では、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」を巡り、自公から非課税枠を123万円に引き上げることを提案したが、国民民主側は応じなかった。 政府・与党は防衛力強化に必要な財源をまかなうため、所得・法人・たばこの3税を段階的に増税し、9年度までに1兆円強を確保する計画。与党はこの枠組みを保ちつつ、所得税の増税時期を来年度以降に決めることで一致した。政府原案では9年1月となっていた。 7年度改正で所得税の増税時期について結論を見送ったのは、「手取り増」を掲げる国民民主への配慮に加え、103万円の壁対策に伴う税収への影響を見定めるため。 法人税は税額に対し4%を新たに課す。たばこ税は加熱式たばこの税率を紙巻きたばことそろえた上、たばこ全体の税率を9年4月から3回に分けて、1本当たりそれぞれ0・5円引き上げる。今後3党で協議し最終決定する。 一方、103万円の壁対策の自公案は、過去約30年間の食料や光熱費など生活必需品の物価動向を踏まえ、所得税の基礎控除と給与所得控除の最低保証額をそれぞれ10万円ずつ引き上げ、7年分の所得から非課税枠を123万円にする内容だ。 だが、178万円への引き上げにこだわる国民民主の古川元久税制調査会長は会合後、記者団に「これでは話にならない」と与党側に伝えたことを明らかにした。3党は17日にも改めて協議する。