本田望結がカーリング女子高生を熱演「スケーターとしては、先を越されたような気持ちにもなりました(笑)」
小さい頃からドラマ、映画に数多くの作品に出演し、フィギュアスケーターとしても活動している本田望結。主演を務める映画『カーリングの神様』では、カーリングに懸ける女子高校生を熱演していて、初めてのカーリングながらも緊迫した試合シーンを繰り広げている。昨年 12 月のクランクインの一カ月以上前からカーリングのプロたちによる猛特訓を受けたという彼女に、本作の撮影エピソードを中心に話を聞いた。(前後編の前編)。 【写真】俳優、スケーターとして活躍、本田望結の撮り下ろしカット【8点】 ――『カーリングの神様』のオファーがあったときのお気持ちからお聞かせください。 本田 カーリングを題材にした映画と聞いて、オファーがあったこともうれしかったんですが、それ以上に「おめでとう!」という祝福の気持ちでした。というのも氷上のスポーツを描いた日本映画はほとんどなかったですし、俳優さんたちで練習や試合のシーンを再現するのは難しいですからね。フィギュアスケーターとしては、先を越されたような気持ちにもなりました(笑)。 ――これまでカーリングに触れる機会はありましたか? 本田 日本は常設リンクが少ないので、いろんな競技の方やチームが同じ氷を使うんです。私も小さい頃から、横のリンクではカーリングの練習をしているという環境だったので、そういう意味では身近でした。でも実際のカーリングをやったのは今回の映画が初めてです。 ――クランクインの一カ月以上前から練習がスタートしたそうですね。 本田 都内でもリンクの数が少ないので、毎日練習ができるわけじゃなくて、みんなで集まれたのは数回でした。でも、本編で使われることが決まっていたので、氷上を歩く、滑るも普通にできていなければいけなかったので、どこかのステップを飛ばすということはできませんでした。本物のカーリング選手と同じように、全ての過程を積んだと思います。クランクイン後も、シーンを撮りながら練習もしてという同時進行でした。 ――フィギュアスケートとは靴も全然違うんですよね。 本田 フィギュアの靴はかかとが高いですけど、カーリングは運動靴みたいに平らなんです。同じ氷上を滑ると言っても、私の場合、フィギュアの靴を10年以上履いていて、それに慣れているので、カーリングの靴に慣れるのに時間がかかりました。氷上で転びたくないから、足先に力を入れますが、その力の入れ方が、靴によって違うんです。その感覚を掴むのに苦戦しました。誰よりもコツを掴むのが遅かったです。 ――初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。 本田 私が演じた高校生の香澄は、小さい頃からカーリングと共に暮らしてきて、小学生時代には、幼馴染みで結成したチーム「みよステラ」で優勝経験もあります。その後、チームは解散しますが、新たなメンバーで「みよステラ」を再結成して、かつてのチームメイトも所属する強豪チームと対戦します。だから香澄は小さい頃からカーリングに慣れている役です。長くフィギュアスケートをやっている身としては、それをお芝居だけで伝えることができるのかと不安を感じました。 ――どういう不安でしょうか。 本田 その道のプロの方に、「このシーンだけ変わってもらう」というのは、よくあることですが、どこまで自分でやるのか不安だったんです。ところが練習初日にスタッフさんから、「できる限り皆さん自身がカーリングしている部分を使いたいから、やれるだけ頑張りましょう」というお言葉をいただいて。特に私はフィギュアをやっているから、「望結ちゃんは大丈夫でしょう」みたいな空気があって、よりプレッシャーを感じました。できないことをみんなに知られたくないと思って、コソコソ自主練習をしていました(笑)。