新格闘技団体「ROMAN」の時間無制限バーリトゥードルールの基準は「医学的に認められない攻撃を排除」。新柔術ルールではヒールフックなどを解禁
「総合格闘技発祥の国である日本へ再び格闘技の本流を取り戻す」という理念を掲げた新たな格闘技団体「ROMAN(ローマン、Roots of Martial Arts Network)」が9月10日、都内で会見を開催した。 会見にはCEOを務める渡辺直由氏、ROMAN実行委員会代表の弘中邦佳氏、ROMAN株式会社の名誉顧問を務める中井祐樹日本ブラジリアン柔術連盟会長が登壇し、ROMAN旗揚げに至った理念や経緯、競技の種類やルールなどを発表。合わせて10月14日に開催される旗揚げ戦「ROMAN ONE」の概要や出場選手が発表された。 会見の冒頭、渡辺氏がROMAN立ち上げの経緯について説明した。それによると柔術家でもある渡辺氏が現在暮らしている沖縄の石垣島で行っている柔術サークルの弟子で同じくROMANのCEOを務める住吉優氏の「石垣島で何か小さな大会をやらないか」という言葉をきっかけに、かねてから渡辺氏自身が「こんなルールの大会があればいいな」と思っていたルールでの大会開催への思いがよみがえったという。もともとは「誰かがやってくれないかな」と思っていたのだが、住吉氏というパートナーを得たことで渡辺氏自身が弘中氏や中井氏などのもとに赴き、コンセプトから説明。両氏の協力を得るに至ったという。 その渡辺氏の頭の中にあった格闘技のひとつが道着を着用してのMMA。ROMANでは「時間無制限バーリトゥード(R.O.M.A. Rules=Roots Of Martial Arts Rules)」「道着着用MMA(ROMAN COMBAT =DŌGI MMA)」「新柔術ルール(ROMAN JIUJITSU)」の3つのルールで試合を行う。
「時間無制限バーリトゥード」は頭突き、金的ありの過激で自由度の高いルール。しかし目潰し、噛みつきなどは禁止される。このルールについては渡辺氏は「再起不能になることから省いていった。逆算的に今の医学的に認められない攻撃を排除。頭突き、金的攻撃はあり。指への関節攻撃も認められる。噛みつきは止血できないところを噛んでしまうとまずい。目は医療的に回復が難しいということで、将来的に医療が進めばそういうことが解禁になる未来もあるかもしれない」などと語った。 「道着着用MMA」は文字通り、道着を着用して行うMMA。こちらは頭突きや目潰し、髪を引っ張るなど通常のMMAに近い反則が設定されている。 「新柔術ルール」はヒールフックやスラミング、外掛けといった従来の禁止技が解禁されたより自由度の高いブラジリアン柔術ルールとなっている。 渡辺氏は道着MMAについて「膠着が生まれるのではという意見もいただいた。“そういう大会があれば”と思った二十数年前と今では格闘技は進化しているし技術が全然違う。僕らがMMAとか柔術を始めたころは“寝っ転がってこんなことをやっても絶対に流行らない。世の中には受け入れられない”と言われていた。しかし今はMMAも柔術も世界を席巻している。だからといって道着MMAもそんな甘いものではないと思うが、知恵を絞り、選手たちの情熱があれば、これを世界的な流れにできるのではと思っている。僕は第1回UFCや中井先生が出場していた『VALE TUDO JAPAN OPEN 1995』見た。あのころは総合格闘技はそこまで確立していなかった。当時は“今後、総合格闘技は裸体でやるのか道着でやるのか”という話はみんなしていた。違う世界線があったら、今、道着MMAが主流になっていた可能性はゼロではなかったのではと思っている。それを皆さんの協力を得て、また新たな格闘技の世界線を探りに行きたいというのがROMAN設立の理念であります」などと語った。
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