日本製鉄、カナダの鉄鉱石鉱山の権益取得…高品質の鉄鉱石でCO2排出量抑制へ
日本製鉄は19日、カナダにある鉄鉱石鉱山の権益の30%を162億円で取得すると発表した。脱炭素化に向け、電炉を使った製鉄で使いやすい高品質の鉄鉱石を確保する。日鉄が鉄鉱石鉱山の権益を取得するのは約50年ぶりだという。
他に双日が19%、カナダの鉱山会社が51%を出資する合弁会社を2025年6月までに設立する。2年の事業化調査の後、4年かけて開発を進める。開発投資は日鉄が約1300億円、双日が約800億円となり、30年頃の生産開始を目指す。
日鉄は兵庫県と福岡県の製鉄所で、二酸化炭素の排出量を抑制できる電炉の導入を検討している。原料となる「還元鉄」には、鉄分を多く含む高品質の鉄鉱石が必要だが、世界の鉄鉱石の供給量の5%程度で希少性が高いという。