何種類くらいの野鳥を探せる? 「葛西臨海公園」で野鳥観察【関東エリア】
狙った獲物を急降下でゲット【コアジサシ】
葛西臨海公園で見られる野鳥の中でも人気があるコアジサシは全長28cmほどの夏場に繁殖のために日本にやってくる鳥です。環境省では、絶滅危惧II類(VU)に指定され、IUCNでは低懸念(LC)に指定されるなど、個体数を減らしている鳥でもあります。 鳥は羽を動かし前に進んでいきますが、コアジサシは狩りの時に、水上をまるでホバリングするようにその場で羽を動かし空中に浮かびながら、魚を見つけると急降下で水に突っ込み捕えます。
ヘラのようなクチバシがトレードマーク【クロツラヘラサギ】
ヘラ型のクチバシを持つクロツラヘラサギは、ペリカン目トキ科の70~80cmほどの鳥です。雌雄同色ですがメスはオスよりやや小ぶり、また成鳥になるにつれクチバシにシワが出てきます。アジアの河口や干潟、水田、湿原などに生息する野鳥で、顔に羽毛はなく黒いためクチバシと一体化しているように見えます。同じくヘラ型のクチバシを持つ「ヘラサギ」との見分け方は、顔に毛が生えているのが「ヘラサギ」、毛が無く黒い地肌が見えているのが「クロツラヘラサギ」です。 主に中国や朝鮮半島で繁殖し、日本や台湾に秋から春にかけてやってきます。ICUN(国際自然保護連合)の、野生での絶滅の危険性が高い「EN」にランクされ、個体数や分布数を把握するため、日本、韓国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、フィリピンなど東アジアのNPOやNGOなどの自然保護団体が一斉に報告し集計を行なっているほどです。 ヘラのようなクチバシを半開きにしながら左右に振ってクチバシに当たった魚類や甲殻類などのものをパクッと食べます。採餌の様子をYouTubeで確認すると、挟みにくそうなクチバシなのにあまりに早く食べるので不思議な感じがします。 葛西臨海公園では野生のクロツラヘラサギが見られますが遠くにいることがあり、なかなか観察が難しいです。また採餌の時間以外は寝ていることが多いので、時間を調べていくと良いと思います。 今回も、何種類か野鳥を観察でき、お目当てのクロツラヘラサギが見られたものの、もっと海の鳥などを見たかったというのが本音です。いきなり行ってもなかなか見つけられないので、効率的に野鳥を見るためにはガイドツアーに参加するのも良いかもしれません。もちろん気ままに散歩しながら野鳥を探すのにも最適な場所です。海に吹く風を気持ち良く感じながら是非野鳥を探しに行ってみて下さい。
杉田磨弥