レバノン停戦に「前進」とイスラエル、合意履行にロシアの協力も示唆
(ブルームバーグ): イスラエルはレバノン停戦の実現に向けて前進が見られているものの、親イラン民兵組織ヒズボラによる停戦違反がある場合に軍事作戦を再開できるという保証が依然必要だと主張した。
米国が仲介する停戦の取り組みについて、「一定の前進がある。この問題で、われわれは米国と協力している」とイスラエルのサール外相は11日、記者団に語った。合意の履行にはロシアが協力する可能性もあると付け加えた。
トランプ前米大統領のホワイトハウス返り咲きが先週決まったことで、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスを含むイラン代理勢力とイスラエルの戦争の見通しを巡り、臆測がかき立てられている。イスラエルのネタニヤフ首相は10日、過去数日間でトランプ氏と3回話したと明らかにした。
デルメル戦略問題相は先週、イスラエル高官として珍しくロシアを訪問し、シリアからヒズボラへの兵器密輸防止でロシアが役割を果たせるかを打診したと、イスラエル軍のラジオが報じた。デルメル氏は週内に米国とフォローアップの協議を行う予定だ。
サール氏はデルメル氏の訪問について詳細を述べることは控えつつ、ヒズボラ抑え込みにロシアが関与することをイスラエルは拒絶しないと明確にした。
「ご存じの通り、ロシアはシリアにプレゼンスがある。この目的を効果的に達成するために、ロシアは寄与し得ると自分は考えている」とサール氏は述べ、合意が結ばれる場合には「関連性の高い当事者」が多く関与するほど「良い」だろうと強調した。
イスラエルのロシア大使館はコメントを控えた。
原題:Israel Sees Progress in Lebanon Truce Talks Despite Hurdles(抜粋)
--取材協力:Omar Tamo.
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Dan Williams