“3人がいない年末” 伊勢崎・家族死亡事故 遺族が初めて現場に
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群馬県伊勢崎市で飲酒運転とみられるトラックが乗用車に衝突し、家族3人が死亡した事故から7カ月です。3人がいない年末を迎える遺族が初めて事故現場を訪れ、今の思いを語りました。 ■家族死亡事故 遺族が初めて現場に 亡くなった寛人さんの祖母 「こんなに見通しが良い所なのに」 事故の衝撃を物語る爪痕は今も残されています。 亡くなった寛人さんの祖母 「可哀想すぎる。こんな所で」 亡くなった寛人さんの母親 「なんで最期恐怖のまま逝かなきゃいけないんだろう」 初めて目の当たりにする3人の最期の場所。 亡くなった寛人さんの祖母 「怖かった、来るのが。一度は見ておかなきゃ」 悔しさを押し殺すように何度も何度も手を合わせました。 今年5月、伊勢崎市の国道で反対車線にはみ出したトラックに巻き込まれ、塚越正宏さん(53)、寛人さん(26)と湊斗君(2)の3人が亡くなった事故。 トラックを運転していた鈴木吾郎被告(70)の呼気からは、基準値を超えるアルコールが検出されました。 湊斗君の母親 「たった1人のお酒が飲みたいという欲望のためだけに、3人が死んだと思うと許せない」 当初、鈴木被告は過失運転致死傷罪で起訴されました。しかし遺族は、より刑が重い危険運転致死傷罪の適用を求めて前橋地検への要望や署名活動を続け、10月には訴因変更が認められました。 そして、湊斗君が迎えるはずだった3回目の誕生日の直後には思い出の地を訪れました。 湊斗君の母親 「湊斗の2歳の誕生日に初めて3人で来た。乗り物は大好き」 「2人してあれ乗るこれ乗るって友達かのように遊んでいた。湊斗が『よーいドーン』っていきなりやりだして毎回、私の方に来る。パパは『なんでー』って悲しがってた」 目に映る一つひとつの場所に思い出があふれています。 湊斗君の母親 「これは初めて乗ったやつかな。湊斗が可愛すぎて見逃したくなくて。ここも3歳になったら乗れるねって、もうちょっとだって言ってたんだけど」 時間が経つにつれ、少しずつ心境の変化があったといいます。 湊斗君の母親 「3人の命を無駄にはしたくない。今は無我夢中でやれることを必死に」 湊斗君の叔父 「今の法律だと当てはまらないことも多い。法律の改正を求めてという」 湊斗君の母親 「これだけの運転をしたらどれだけ重い罰が下るか、たくさんの人に知ってもらいたい」 寛人さんの母親 「あまり行きたくはない。でも最期そこで亡くなってるから、そこにいるのかなと思ったり」 今月、意を決して初めて遺族がそろって現場を訪れました。 寛人さんの祖母 「これも痕ね」 「痛かったね、寛人」 これまで何度も見返した場所。 寛人さんの祖母 「本当につらかった」 湊斗君の母親 「現場はつらいですよね。やっと来られましたね」 これから迎える3人がいない初めての年末。 寛人さんの母親 「寛人から『お正月は休める?』とかLINEが来てたけど、今年はそれが鳴らないのでお正月が来るという実感がない」 残された遺族が今、求めることは…。 湊斗君の母親 「裁判が始まるので正しい判断が下されるのを祈る」 寛人さんの祖母 「分かってないといけない運転する覚悟を。天が助けてくれると思って罰が下ることを信じている」
テレビ朝日