TBSとフジの「余裕のなさ」が原因か…『ジョンソン』『オドハラ』の相次ぐ打ち切りで、いま“芸人バラエティ”が再びさらされている「絶滅の危機」
『新しいカギ』との差は紙一重
『ジョンソン』と『オドオド×ハラハラ』のような芸人バラエティの基本的な構成は、芸人たちの持ち味を引き出す週替わり企画。そのため番組開始から「さまざまな企画を仕掛けながら人気コーナーを探っていく」という形で放送されていたが、「それを見つけられないまま終了」という悲しい結末が近づいている。 一方、同じように苦境にあえぎながらさまざまな企画を仕掛け、人気コーナーを見つけられたのが『新しいカギ』(フジテレビ系)。コア層の個人視聴率を獲得できる「学校かくれんぼ」という企画を見つけ出し、さらに「高校バスケ全国制覇の道」「先生と漫才グランプリ」「学校きもだめし」「校内一周! 障害物駅伝」などの派生企画を次々に手がけて生き残りに成功した。 同様にバナナマンとサンドウィッチマンの『バナナサンド』(TBS系)も「ハモリ我慢ゲーム」というヒット企画を見つけて一時期の苦境を脱出。また、博多華丸・大吉、千鳥、かまいたちの『火曜は全力! 華大さんと千鳥くん』(カンテレ・フジテレビ系)は、体を張ってさまざまな企画に挑む姿勢が受けはじめてコア層の個人視聴率をジワジワと上げている。 『ジョンソン』と『オドオド×ハラハラ』は、これらのように「ヒット企画が見つかったり、ジワジワと数字が上がったりするまで待ってもらえなかった」ということだろう。これは視聴者ではなく、主に局内の問題であり、特に制作サイドの力量というより、1年しか我慢できなかった上層部や編成の余裕のなさを感じさせられる。 いずれにしても現在のゴールデン・プライム帯は、人気芸人を起用するだけでは難しく、起用したとしても「『彼らでなければ成立しない』というコンセプトの番組にはなりづらい」ということ。制作費の安いロケやゲームなどが主流の企画・構成になるため、高い視聴率や配信再生数は難しく、「飽きられたら終了」という状態を繰り返してしまう。