TBSとフジの「余裕のなさ」が原因か…『ジョンソン』『オドハラ』の相次ぐ打ち切りで、いま“芸人バラエティ”が再びさらされている「絶滅の危機」
芸人バラエティが復活した背景
『みなさん』と『めちゃイケ』が終了した2018年春を振り返ると、当時はテレビ業界全体で視聴率低迷が長期化した苦しい時期だった。両番組ともに、業界内外で「打ち切りの噂が流れては延命する」という状態の繰り返し。さらにフジテレビが両番組を同時期に終了させたことで、「いよいよテレビの芸人バラエティそのものが終わりだろう」と見られていた。 しかし、わずか2年後の2020年春に視聴率調査の大幅なリニューアルがあり、民放各局の評価基準が一変。営業の取引上、有名無実化していた世帯視聴率が評価指標から外れ、コア層(主に13~49歳)の個人視聴率獲得を目指す番組制作に舵が切られた。 とはいえ、各番組には重要なスポンサーや多くの出演者がいるほか、想定外のコロナ禍に見舞われたことで、すぐに変わったわけではない。それでも2021年の春・秋、2022年の春・秋と改編期を経るごとにその傾向は強くなっていった。 ちなみに2020年春以降の変化で象徴的だったのがドラマのジャンル。世帯視聴率や個人視聴率全体で苦境に陥っていた2010年代は中高年層が好む刑事と医療が半数近くを占めていたが、2020年代に入って視聴率調査がリニューアルされると恋愛が増え、長編ミステリー、学園、ファンタジーなどの若年層が好むジャンルが増えていった。 ドラマがコア層の個人視聴率に加えて配信再生数やXのトレンド入りなどでも一定の成果を得られたことで、「次はバラエティ」という話になるのは自然な流れ。 特にフジテレビは2022年に『みなさん』などを手がけた港浩一社長が就任してからバラエティへの回帰を進める上で目玉番組の1つが『オドオド×ハラハラ』だった。一方、『ジョンソン』のTBSも『水曜日のダウンタウン』が「TVerアワード バラエティ大賞」を3年連続受賞するなどの成功もあってバラエティの見直しが議論されているという。