なぜフランスはこんなにひどいままなのか?デシャンが解決すべき6つの問題
ラビオとチュアメニの苦悩
アドリアン・ラビオは自信喪失の危機に陥っているのだろうか。引き分けだったオランダ戦では奇妙な瞬間があった。MFラビオは、自分でシュートを打つべきだった時にアントワーヌ・グリーズマンへパスをしようとしたのである。 それは、それまでのラビオの意思決定のまずさを象徴するようなプレーだった。それまでは決して悪くなかった――何度もボールを取り返したり、ボールを動かし続け、大半のチームメイトよりも多くのチャンスを作っていた。とは言え、2022年のワールドカップでフランスを決勝まで導いた中心選手だった頃の、ボックス・トゥ・ボックスのキレ味鋭いMFだった姿は失われてしまっていた。 そんなラビオの苦悩は、オーレリアン・チュアメニにケガの影響が明らかに残る中、最悪の時期に表れてしまった。MFチュアメニは守備ではかなり強力に見えたが、ポゼッションに関しては理解できなくもないが慎重であるがゆえに、デシャン監督に、もっと推進力のあるパスを出せる選手、たとえば並外れた才能のあるウォーレン・ザイール=エメリやユスフ・フォファナを起用することや、活力を取り戻したエンゴロ・カンテを、このベテランが最高のプレーを発揮できる場所である、4バックの前に戻すことを考えさせることとなった。 とにかく、何かをしなければならない。これまでのところカンテが今大会のフランス代表の中で最高の選手である一方、中盤の構成はまったく正しくないのだから。
偉大なるグリーズマンの不調
中盤の機能不全の一因がグリーズマンにあるのは明らかだ。2022年のワールドカップではフランスの英雄だったグリーズマンは、通常は完璧なつなぎ役で、背番号6のようなハードワークのできる創造的な背番号10であるが、ドイツでのプレーは絶頂期に遠く及ばない。 ゴール前で無駄な動きすることが多く、特にオランダ戦ではそうだった。ポゼッションもよくない。だから、ポーランド戦ではベンチスタートとなったのは無理もない。しかしながら、彼の不在はデシャン監督のチームにとって彼が重要な選手であることを強調しただけだった。フランスはサイド攻撃で敵に恐怖を与え続けたかもしれないが、中央でグリーズマンがもたらしていた狡猾さやエネルギッシュさが著しく欠けていた。 おそらくグリーズマンは疲れているのだろう。長いシーズンの終盤に33歳が疲労で苦労するのは当然のことだ。それがプレーに大きく影響することは間違いない。だが、フランスがベルギーに勝つためには、グリーズマンが先発メンバーに戻り、あの輝かしい絶頂期に近いプレーをすることが必要だ。