平成ファッション史 ブランド信仰からカジュアル・低価格・機能性重視に
ファストファッションはピークアウト感も?
平成後期には2011年の東日本大震災(平成23年)などをきっかけに安全性を考慮したスタイルも増えているようです。「何が起こるかわからない時代。特に足元の意識が変わった。ニューバランスやナイキのスニーカーなど機能的でかっこいいものが注目されている。両手を空けるため、バッグを持つのではなく、リュックやウエストポーチなども見直されている。スマートフォンの登場も大きい。歩いていても皆、スマホの画面を見て街のファッションを見ることが減ったのではないか」(渡辺教授) ファストファッションの今後について渡辺教授は「世界各地で店舗撤退しているブランドの動きが見え始めている。毎日安売りを実施するといった販売もあり、お得感が感じにくくなった。大量生産、大量消費スタイルは大量廃棄にもつながると指摘されている。平成の終了後にファストファッションがなくなっていくことはないだろうが、ピークアウト感はあるのではないか」とみています。 今年の7月にはH&Mの旗艦店だった銀座店が閉店。昨年10月には「フォーエバー21」(米国)が日本1号店である原宿店を閉じるなど、ファストファッションに一時期ほどの勢いがみられないのも事実。平成が終わった新しい元号の時代に、日本人のファッションはどのように変化していくのでしょうか。