矢野監督の退任宣言については静かに見守ることにしている。阪神は四番の争いに注目もレギュラーと若手に差を感じるわ【岡田彰布のそらそうよ】
四番争いをすることでお互いのレベルも上がる
糸原と中野のレギュラー二遊間が抜けている間、若手はチャンスだが少し実力差があるというか、まだ彼らに物足りなさが感じられるのは残念よ[写真=矢野寿明]
阪神の沖縄キャンプ、第2クールを現地で確認してきた。人数制限はあっても、ファンが来てくれて、これまでどおりの春季キャンプの光景がそこにあった。 でも違うのは、空気感というのか、特にトラ番は「あの発言」を常に頭に入れているようやった。矢野(矢野燿大)監督の今季限りでの退任宣言である。「どう思いますか?」とよく聞かれた。対してオレは答えないようにしている。とやかく発言する問題ではない。本人の意思で、明らかにしたこと。監督経験者として、それは尊重すべきものととらえているし、静かに見守る。それしかないわ。 あれは2008年の10月やった。監督5年目で2度目のリーグ優勝は間違いないという状況から、巨人に逆転された。V逸が決まった横浜の夜。球場から戻り、オレはホテルの自室で考えた。そこには球団の関係者はいなかった。オレひとりで考えた。そして結論が出た。「責任を取る」「監督を辞する」。即座に行動に移した。球団に相談もなく、報告もなく、まずコーチ陣を集めて、退任することを伝えた。翌日には選手にも話した。最大13ゲーム差をつけていたのに、それで優勝できなかった。これは導けなかった監督の責任。それしかないわね。球団は報道を受け、慰留してきたけど、オレの心はまったく変わらなかった。 オレはそういう経緯で辞めたのだが・・・
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週刊ベースボール