3年目のWEリーグは「全体の競争力が上がった」 ベスト11メンバーが実感するレベルアップ
INAC田中は「このチームのこういうところが嫌だというのが各チームにある」と言及
なでしこリーグ時代は大半のチームが4-4-2を採用し、ブロックを組んだ守備から前線に素早く渡すサッカーが目立った。しかし今季を見れば、ベレーザやINACといった上位クラブが3バックを採用して相手と噛み合わせをズラしてボールを運ぶようになった。 浦和も4バックではあるもののポジショナルプレーの要素を持ち、押し込んだ状態を作ってからは即時奪回を図るモダンな戦術でプレーし、アジア女子クラブ選手権で対戦した韓国の仁川現代レッドエンジェルスの監督からは「日本サッカーとヨーロッパサッカーを融合させたようなチーム」と評された。 INACは今季リーグ最少失点の2位だったが、田中は「結果的に下位と勝ち点差はできたけど、毎試合どうなるか分からない。このチームのこういうところが嫌だというのが各チームにある」と話し、北川も「3バックや4バックも戦術で変わるし、今シーズンはバリエーションが多かった」と話した。 もちろん、個々の選手が発揮する能力はサッカーの基本になってくるが、それだけでなく対戦型ゲームとしての駆け引きや戦術の要素もサッカーの魅力の1つ。ピッチ上の選手たちからも、そうした要素の進化が感じられるWEリーグの3シーズンになっていたようだ。
轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada