合格者増加中の総合型選抜(旧・AO入試)をわかりやすく解説! 今、注目されている理由とは?【大学受験】
総合型選抜の選考方法・出願要件・スケジュールは?
総合型選抜は、他の入試とは異なる選抜方法やスケジュールとなっています。「知らなかった」がないようにしっかり把握することが大切です。それぞれの内容を解説していきます。 総合型選抜の選考方法は? 旧来のAO入試では、書類審査と面接のみで選考している大学が大半でしたが、近年では学力試験やプレゼンテーションなどさまざまな選抜方法が実施されるようになっています。このことにより、総合型選抜の選考内容は大学によって大きく異なるため、大学ごとに入試要項で確認することが必要です。 ここでは総合型選抜で採用されやすい選考方法を一覧で紹介します。 厳格な出願資格がある大学は少数 学校推薦型選抜では高校3年間の評定平均が4.0以上ないと、出願することができない大学があります。つまり高校1年から常に高い評定を取っておく必要がありますので、出願資格としてはとても厳しい条件となります。 その一方で総合型選抜は学校推薦型選抜と異なり、出願資格に高い評定平均を設けている大学は少ないので、多くの受験生に出願資格があることが特徴です。 しかし総合型選抜でも学力を問うよう方針が変わったことから、近年、評定平均や英検などの語学検定資格の有無を出願条件としている大学が増えています。こちらも大学個々によって出願資格は異なりますので、必ず志望大学の入試要項で確認するようにしましょう。 「評定平均」とは:・ 高校1年から高校3年の1学期までの期間の、全科目の成績が対象 ・ 全科目の成績評価(5段階)を足し合わせて科目数で割った数値 一般選抜や学校推薦選抜よりも早いスケジュール これまでAO入試では、どの時期に試験を実施すべしといったルールはありませんでした。しかし総合型選抜へと変更になったことにより、出願時期は9月以降、合格発表時期は11月以降に実施するようルールで定められています。
総合型選抜のメリットとデメリットは?
これまで解説したとおり、総合型選抜には一般選抜や学校推薦型選抜と異なるメリットがありますが、デメリットも同様にあります。 誰にでもチャンスがあることが最大のメリット 総合型選抜は志望する大学に対して、強い志望理由とアドミッション・ポリシーに合致した学生であることを、試験官に表現できれば合格できる選抜方式です。 一般選抜で求められる学力に及ばない受験生、または学校推薦型選抜の出願資格に必要な評定平均を有していない受験生にも合格のチャンスがあるということです。もちろん、まったく学力が必要なくても、簡単に合格できる選抜方式ということではありません。 志望する大学でどのようなことを学び、どのようなことを成し遂げたいのか。学びたい分野への強い関心や学修意欲、それに対してこれまで取り組んできたことを表現し、アドミッション・ポリシーと結びつけることが総合型選抜では重要です。 そのためにも志望大学に対するリサーチやオープンキャンパスへの参加など、早め早めに考えて準備することが大切でしょう。強い動機があれば合格のチャンスがあることが総合型選抜のメリットです。 一般選抜と併願するとハードルが高い 総合型選抜は原則的に専願での出願となります。しかし総合型選抜で不合格だった場合には、一般選抜での合格に挑戦することとなります。総合型選抜の合格発表まで、高校3年間のほとんどの時間を費やしている状況ですので、11月の合格発表を受けてから一般選抜の試験対策をするのは、相当ハードルが高いことはデメリットです。 対策としては、総合型選抜の試験対策と並行して学力試験対策も行うことが必要でしょう。ただ、どちらもしっかり対策してから受験ができると合格の可能性を高めることができるため、早めに準備を進めていきましょう。
まとめ
ここまで総合型選抜について、学校推薦型選抜との違いも含めて解説してきました。総合型選抜は、大学で学びたいことが固まっている学生や、そのために必要な取り組みを行ってきた学生にとっては有効な選抜方式です。本記事を参考に、すべての受験生が自分に合った選抜方式を選択できることを願っています。
鈴木優志