【4年で4200万円に】静岡県知事の“退職金”が全国1位に…給与引き上げ条例や補正予算案が県議会で可決(静岡)
静岡県議会12月定例会が閉会し、県職員の給与を引き上げるための条例や、その費用が盛り込まれた補正予算案などが可決されました。これにより知事の退職金は4年で4200万円余りとなり、全国1位になります。 (県議会本会議) 「本案は、それぞれ原案通り可決することに決定しました」 県議会12月定例会は、42の議案を全会一致で可決し、20日、閉会しました。今回可決された補正予算案には、県職員の給与改定による人件費として91億200万円が盛り込まれています. この給与改定は、民間企業との差を解消する目的で、県人事委員会が勧告したことにより実現し、県職員の月給が平均2.61%、ボーナスで0.1か月分が引き上げられるということです。 議会で審議した総務委員会の勝俣昇委員長は、「職員の人材確保のため」と、県から説明があったことを報告しました。 (県議会 総務委員会 勝俣 昇 委員長) 「近年、職員採用試験の受験者数が減少傾向にあり、特に技術職員の安定的な確保が困難になっている」「組織パフォーマンスを向上させるため、若手・中堅の早期昇格者や民間などからの採用者の給与の見直し、昇給や特別給の能力や実績に適切に反映できる給与制度への見直しなどの勧告を行ったと答弁がありました」 この給与引き上げを巡って注目されているのが”知事の退職金”についてです。今回、特別職報酬等審議会の答申を受け、「特別職」の給与引き上げの条例が可決されたことにより、知事や県議会議員などの給与も3.69%引き上げられることになります。 具体的には、県議会議員の給与は月額で3万1000円上がり86万5000円に。 知事の給与は月額で4万8000円上がり、134万9000円となります。 また、これに伴い、任期ごとに支給される知事の「退職金」も上がります。 全国の知事の「退職金」の金額は、これまでは神奈川が4176万円でトップで、続いて埼玉、秋田、静岡という順番でした。今後、4年の任期を満了した場合、静岡県知事の退職金は4208万9000円となり、これまでより約150万円アップし、全国1位となります。 この県議会で、鈴木知事は、2025年度の予算編成で財源不足額が620億円以上になる見通しを示していて、「あらゆる手段を尽くし、歳入歳出の見直しを徹底してまいります」と“健全財政”への決意を口にしていました。 「日本一の退職金」について賛否の声が上がる中、鈴木知事は、12月の会見で「自ら身を切る考えはあるか」と問われ、「検討する」と答えています。 静岡知事の退職金を巡っては、川勝県政下では、度々注目が集まっていました。 川勝前知事は、2009年に「退職金ゼロ」を掲げて当選し、1期目は退職金を受け取りませんでした。しかし、2期目に関して受け取るのか、県議会で質問された際は…。 (川勝平太 前知事・2013年の県議会での答弁) 「知事は4年で区切りがくる。そのあと選挙活動をしなくてはなりません。選挙運動については、静岡県では4570万円の上限が定められている、選挙資金の額が。それほどの金がかかるということ。その金額と退職金が比較的見合った形になっている」…と説明していました。 2023年の県議会でも、県議からは「県の財政が悪化しているにも関わらず、退職金を受け取るのか」と追及された川勝前知事。 結局、2期目以降は退職金を受け取り、県によると2期目と3期目は4059万円、4期目は任期途中で辞職したこともあり2875万円と、計1億993万円を受け取っています。