【高校サッカー】長崎総大附属 故・小嶺監督の最後の教え子たちが2大会ぶりの全国へ
102回目の全国高校サッカー選手権大会。長崎県大会の決勝は長崎総合科学大学附属高校が連覇を狙う国見高校を振り切り、冬の選手権への切符を掴みました。去年1月に亡くなった高校サッカー界の名将・小嶺忠敏さんが監督を務めていた以来2大会ぶりとなります。長崎総大附属高校の長崎県大会決勝を振り返ります。 全国高校サッカー選手権大会で長崎総科大附が戦うBゾーン組み合わせ 決勝の相手・国見は今年夏のインターハイで全国3位に輝いた強豪です。両チームはその予選となる今年6月の県高総体3回戦で対戦し、国見が1対0で勝利。総大附属にとってはリベンジがかかった一戦ともなりました。 堅守速攻をチームスタイルとする総大附属。相手にプレスをかけてボールを奪うと、一気に相手陣内に攻め込みます。そこで起点となるのが身長180cmの長身フォワード福島文輝選手(3年)です。準決勝までの県大会3試合でチームトップの5ゴールをマークしているストライカーです。 対する国見は3試合9得点無失点の堅い守備が持ち味のチーム。去年全国の舞台を経験したセンターバックの平田大耀主将(3年)が鉄壁の守備陣を統率します。 試合は序盤から総大附属が流れを掴みます。前半7分、コーナーキックのチャンスからこぼれ球を福島選手が強烈なシュートで押し込み、今大会、無失点の国見の鉄壁を崩します。
また、後半8分。今度は総大附属・甲斐智也選手(3年)が右サイドからドリブルで抜け出し、最後は金城琉煕選手(3年)が落ち着いて決めリードは2点に。 追う国見はその10分後、江藤呂生選手(2年)のゴール前へのパスに、代わったばかりの山﨑夢麓選手(3年)が反応し、1点差に詰め寄ります。その後も、国見が何度もゴールに迫りますが、総大附属も体を張って守ります。 すると後半27分、総大附属・尾島栞蓮選手(3年)が左サイドからドリブルでペナルティエリア内に進入し、エース福島選手へ。今大会得点ランキングトップに並ぶ7得点目を挙げ、総大附属が2大会ぶり9回目の冬の選手権の切符を手にしました。 決勝戦で2ゴール、県大会7得点を記録する得点王の活躍を見せた福島選手は「3点目が大事になってくると日ごろから監督に言われていたのでそこで3点決められたのは大きかった」と振り返りました。 総大附属は高校サッカー界の名将・小嶺忠敏さんが生前最後に率いていたチーム。3年生はその指導を受けた最後の代でした。 2大会前の選手権全国大会で1年生ながら唯一全試合先発出場を果たした平山零音主将(3年)は「1点失点してしまったのでたぶん今天国で怒っていると思う。全国では絶対0で抑えて小嶺先生を笑顔にしたい」と恩師への思いを語り、「自分たちのチームの目標は国立に立ってプレーすることなのでそこを目指して頑張りたい」と全国への意気込みを語りました。 長崎総大附属の初戦は12月29日(金)、新潟県代表・帝京長岡と対戦します。 (取材・文 高校サッカー選手権民放43社/長崎国際テレビ)