「ナベツネさんがいなくなったら16球団にしようって派閥もある」プロ野球をさらに盛り上げるためのホリエモンの提言
〈ホリエモン×クロマツテツロウ〉特別対談#2
『ドラフトキング』作者のクロマツテツロウ氏と独立リーグ球団オーナーの堀江貴文氏の野球対談。後編ではクロマツ氏が聞き手に回り、現在の野球人気の理由と20年前のNPB新規参入争いでの裏話を聞いた。さらに、市場規模でMLBに差をつけられているNPBに、堀江氏がモノ申す! 【画像】一般男性が稼ぐ平均生涯年収をプロ野球で稼げる選手は何人いる?
地方球団はなぜ人気が出るのか
――現在、プロ野球12球団で観客収容率のナンバー1はDeNA。やっぱり地域密着系の地方都市は強いですよね。 堀江貴文(以下、同) だから(2004年の球界再編騒動のとき)仙台(ライブドアフェニックス)は成功するイメージしかなかったです。東京だといろんなエンタメの選択肢があるけど、地方はライバルが少ないから。 ――楽天イーグルスもバチッとはまりましたもんね。 僕は最初、(愛媛県)松山市に新規参入の話を持ってったんですよ。坊っちゃんスタジアムの指定管理をウチでやらせてくれって。でもアマチュア野球優先ってことでダメで、次に県営の宮城球場を本拠地にと宮城県知事に話をしにいったら、リノベーションはこっち持ちだけど、年間5000万円で貸してくれると。 「この条件、最高だな」と思ってたのに、楽天に負けてそのまま契約ごと持ってかれちゃった。まぁでも、2004年の球界再編騒動をきっかけにプロ野球ビジネスがめちゃくちゃ盛り上がったから、そのときは結果的によかったかなと思ってたんですよ。閑古鳥が鳴いていたパリーグのチームも、今やどこも大人気でしょ。 ――日本ハムも北海道に移転してから劇的に変わりました。 あれはホークス(の福岡移転)を見てたからなんですよ。当時勢いがあったダイエーがホークスを買収して、旅行会社と組んでツアーを企画したり、(ホークス関連の)ライセンスをゼロにして(地元商店街が)勝手にグッズをつくれるようにしたりと、さまざまな施策をやった。 ――へ~。 まぁもともとはダイエーの創業者の中内(㓛)さんの息子さん(次男、正)が全米のボールパークを見て、日本にも球団が経営するホテルも併設しなくちゃいけないって「ドーム三点セット」(ダイエーホークス、福岡ドーム、ヒルトン福岡シーホーク)をつくったのがよかったんですけどね。 ――それで九州が盛り上がりましたもんね。 地方はエンタメがないから、スポーツエンタメの最高峰である野球を持ってきたらそら(観戦に)行くよねって。それを見てた日ハムの社長は「あ、(間借りしていた本拠地の)東京ドームでやってちゃダメなんだ」と札幌に移転した。 ――ズムスタ(カープの本拠地、Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島)もつくりがスゴくないですか。 (スタジアム完成前の)2004年当時の広島の売上の内訳はおもしろいですよ。 売上65億円のうち、放映権の収入が28億円、グッズの販売料などで12億円だった。それが2017年には売上188億円と13年で約3倍になっていて、そのうちグッズ売上が3分の1を占める。野球がサッカーと違うところはグッズが売れることですね。 しかもサッカーって(多くて)週2回しかやらない。野球は毎日やってるじゃないですか。それがまたいい。毎日ニュースになるし、よくできたスポーツですよ。