小さくて廉価で動画もしっかり 富士フイルム「X-M5」は3つの顔を持つカメラだった
「X-M5」は、小さくて軽くてお気軽スナップ撮影やお気軽動画撮影に向いたカメラである。EVFを持たないコンパクトミラーレスって昔はいっぱいあったのだけど、ここんとこすごく減っていたから、パナソニックの「S9」に続き、富士フイルムからもX-M5が出たのは素晴らしいことだ。こういうのを待っていた、って人も多いに違いない。 【画像32点】ダイヤルを回すと画面にこのように仮想ダイヤルが現れるので分かりやすい。「Q」を押すとそのフィルムシミュレーションの解説をしてくれる 個人的にはこれに薄型の単焦点レンズを付けてスナップカメラとして持ち出すのに向いてるかなと思って、XF 27mm F2.8をつけてみた。
フィルムシミュレーションを楽しめるエントリー機
X-M5には3つの顔がある。と勝手に思ってる。 1つはエントリーユーザー向けの安くコンパクトで簡単な入門機的な顔。気負わずに気軽に手にできて、操作も簡単で分かりやすい。 初めて買うカメラとしてハードルが低いのはいいことだ。EVFはないけど最近はファインダーがついてても覗かないで背面モニターで撮る人も多いから、特に問題はなかろう。 操作系もシンプルだ。上面からチェックしよう。 撮影モードダイヤルは「AUTO」にしたままでいい。AUTOのままでも右肩の電子ダイヤルを回せば露出補正できるし、フィルムシミュレーションダイヤルも使えるのだ。 ダイヤルには8つのフィルムシミュレーション+カスタマイズできるポジションが3つある。合計11個(FSポジションはデフォルトのもの)で撮ってみた。ちょいと撮影時の天候がイマイチだったので差が分かりにくいのは申し訳ない。 もう1つ、AUTOモードの時は被写体検出AFも「オート」になる点に注目。 これは人物の例だけど(風景+人物)と出てる、動物に向けると動物アイコンが、電車に向けると乗り物アイコンが表示される。被写体検出はオートなのだ(逆に、PASMの各モードにすると被写体検出オートは使えない)。 被写体を自動的に検出してそこにAFを合わせてくれるので細かいところはカメラにまかせて、フィルムシミュレーションと露出補正は自分でできるので、AUTOのままでOkなシーンはけっこう多い。 レンズキットのXC 15-45mmもコンパクトな電動ズームだ。XマウントのレンズにはXFとXCの2つのシリーズがあるが、XCは廉価なモデルと思えばいい。質感はともかくとして軽くて安い。 今回は基本的にオートモードで撮ってみた。とりあえずいつものガスタンク。 人物もオートでいっちゃいます。 電車もオートでちゃんと認識してくれた。レンズはXC 50-210mmの望遠ズームを使用。道外と認識するとシャッタースピードも上がるのがありがたい。 ちなみにISO感度は最高でISO12800。拡張ISO感度としてISO51200まで上げられる。 夜は夜景と認識してくれる。 ただ、エントリーユーザー向けと思うと、ボディ内手ブレ補正が無いのは残念だ。 イメージセンサーは約2610万画素の「X-Trans CMOS 4」。X-S20と同じだ。低価格なカメラとはいえ、ちゃんとX-Trans CMOS 4を積んでくれているのはよい。