【競輪】1カ月間じっくり考えられるKEIRINグランプリ
「レース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」 今年もあっという間に1年が過ぎ、KEIRINグランプリ(30日・静岡)の開催が近づいてきた。出場選手が決まってから、大一番まで1カ月以上あり、その間にあれやこれやと頭の中でレースのシミュレーションをして予想をしている人は少なくないはずだ。 有馬記念は出走有力馬こそわかっても、全馬が発表となるのは開催週に入ってから。ボートのグランプリ、オートレースのスーパースター王座決定戦はトライアル制のため、優勝戦のメンバーは前日まで分からない。現時点で並びは確定していないが、競輪だけは1カ月も予想をできる時間がある。メンバーによっては並びが決まるまで予想を立てにくいが、分かりにくい並びの時は、その並びを想定するだけでワクワクする。他の公営競技と違い、自分でいろんな並びや、展開を想定して1カ月を過ごせるのがKEIRINグランプリならではの楽しみ方だと思っている。 今年の9人で、並びのサプライズはないと考えている。真杉匠(栃木)-平原康多(埼玉)の関東コンビに、北井佑季-郡司浩平(ともに神奈川)-岩本俊介(千葉)の南関が3車。脇本雄太(福井)-古性優作(大阪)の近畿勢が2車で、新山響平(青森)、清水裕友(山口)が単騎の想定に。 気になっているのは3年連続の出場となる新山。過去2年はいずれも北日本勢の先頭で引っ張る立場だったが、今年は一転して単騎が濃厚。さらにグランプリメンバーはほとんどが12月の記念を欠場するが、11日に開幕した広島記念(玉野代替開催)に出場。「過去2年は12月に走らず、結果はあまり良くなかったので、今年は走ってみてもいいのかなと思った」ときっちりと決勝にも勝ち上がり、実戦勘を養って年末へ。グランプリへは「練習量を増やして、最初はキツかったけど、対応できるようになって、体力も付いてきた。成長を感じる」と手応えも得ている。本番はまず北井の先行と考えているが、真杉や脇本は緩んだら仕掛けるし、郡司が合わせて出るようなら壮絶な踏み合いに。消耗戦となれば単騎の新山にも出番は十分にある。 グランプリは3連単が発売された2001年以降、4桁配当で決着したのは3回のみ。ラインで決まる時は少なく、配当的には高確率で荒れる一発勝負。現地に取材にも行くが第一感を信じて、新山-全-全の車券を握りしめて最終決戦を見守るつもりだ。(関西競輪担当・貞 友之)