【豪華対談】トム・ホーバスHC×田臥勇太 W杯躍進の裏側とパリ五輪への展望 キーワードは“Believe”と“きれいなバスケ”
◆W杯で見えた課題「直さないとパリ五輪に挑戦できない」
――田臥選手「(W杯で)そういうものを経験して、今回のアジアカップ予選もチームとしての経験をつなげていきたい?」 ――ホーバスHC「そうですよ。メンバーが違うじゃないですか。ユウタ(渡辺雄太)がいない、富永(啓生)もいないとか。でも、同じチームとか同じスタンダードをチームと一緒に作りたい」 ――田臥選手「W杯がベースというか」 ――ホーバスHC「そうですよ。(今回は)グアムと中国に勝ちたい。でも、パリ五輪の準備もしたい。今は大きいアジャストメント(調整)はしないんですけどW杯のデータを見て、『これやった方がいい』とか『このディフェンスをちょっと変えた方がいいかな』とか小さいアジャストメントはやってます。 ――田臥選手「選手たちにもそこがポイントと伝えている?」 ――ホーバスHC「はい、そうです」 ――田臥選手「そこはイコール パリ五輪に向けてということなんですね?」 ――ホーバスHC「はい。W杯の結果はすごく良かった。けど足りないこともいっぱいあったんですよ。だからそれは直さないとオリンピックに挑戦できないかなと思います。良いことだけを考えるのは良くないです」 ――田臥選手「よりよくしたいってことですよね。トムさんがそういうマインドで引っ張ってくれるから選手たちも一体感が生まれるんですね」
◆「パリ五輪はちゃんと結果を出したら、もう“鳥肌”だよ」
――ホーバスHC「W杯に出てカーボベルデ戦(最終戦)を終えて、アリーナの雰囲気とかを見た。でも、すぐこれからが仕事かな(と考えた)」 ――田臥選手「それ(W杯)は終わったと?」 ――ホーバスHC「終わったから、パリオリンピックはすぐですよ。(田臥さんも)長い間、日本でバスケをやったじゃないですか。少しずつ人気になったとか日本のみなさん盛り上がったじゃないですか。このパリ五輪でちゃんと結果を出したら、もう“鳥肌”だよ」 ――田臥選手「鳥肌たってもらいたい(笑)」 ――ホーバスHC「そうですよ、本当に。(自分は)1990年から始めたよ、日本のバスケ。34年前だよ、(人気は)今と全然違う」 ――田臥選手「子供の頃、トムさんが日本でプレーしてるの見てたので」 ――ホーバスHC「僕が引退する前、田臥の名前をいろいろ聞いた。『この高校生はすごい上手』って」 ――田臥選手「昔ね。それが今、時間がたってトムさんが女子代表も強くしてくださって(東京五輪銀メダル)。今回、女子もオリンピック出場が決まって。男女一緒に行けるってことも素晴らしいですね」 ――ホーバスHC「素晴らしいですよ。本当に楽しみです。選手たち本当に頑張った」