オランダ代表、背番号10の系譜(3)悪夢の転落…美女と交際で逆風!? 10番が苦い記憶に
オランダ代表の背番号10は、ワールドカップ本大会で輝けないのか。時代を象徴する選手が身に着けてきた番号だが、必ずしも神聖な影響力を持っているわけではなかったのかもしれない。ところが、その不吉なジンクスを打ち破った者もいた。今回は本大会に出場したブラジル大会までのワールドカップ5大会でオランダ代表の背番号10を託された選手たちの活躍を振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの
ドイツワールドカップ
背番号10:ラファエル・ファン・デル・ファールト(ハンブルガーSV) 生年月日:1983年2月11日(当時23歳) 個人成績:3試合出場/0得点0アシスト 監督:マルコ・ファン・バステン 戦績:ベスト16 A代表デビューは2001年、当時18歳と早かったが、絶対的な地位を築けてはいなかった。EURO2004でも脇役に過ぎず、オランダのトップ女優シルビー・メイスと交際を始めたことで国内での風当たりも強くなっていた。そしてワールドカップを1年後に控えた2005年夏、身の回りの喧騒やストレスから逃げるようにアヤックスからドイツのハンブルガーSVへ移籍する。 新天地では負傷に悩まされた。足首の負傷で2度にわたって長期離脱を強いられ、2005/06シーズンのリーグ戦出場は19試合にとどまった。しかも2006年に入ってから一度も代表招集がなく、リーグ最終戦も欠場していた中で、ぶっつけ本番のような形でドイツワールドカップに臨むことになった。 ファン・バステン監督からは背番号10を託されたが、当然レギュラーの座は保証されず、グループリーグ初戦は出番なし。唯一の先発出場は2連勝で決勝トーナメント進出を決めた後、メンバーを落として戦った第3戦・アルゼンチン代表戦だった。 ラウンド16のポルトガル代表戦で、オランダ代表は前半のうちに先制されたが、前半アディショナルタイムに相手選手が1人退場。ファン・バステン監督は逆転ムードを加速させるために後半開始からファン・デル・ファールトを起用した。 しかし、64分にDFハリド・ブラルーズが退場となって10人対10人になると、反撃の勢いは削がれてしまった。結局終盤に両チームともさらに1人ずつ退場者を出した一戦は0-1のまま終わり、オランダ代表はラウンド16で姿を消すこととなった。ファン・デル・ファールトにとって初めてのワールドカップは苦い記憶となって刻まれているだろう。
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